製薬会社の利害による未公表試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 05:14 UTC 版)
「出版バイアス」の記事における「製薬会社の利害による未公表試験」の解説
2004年8月に、グラクソスミスクラインが、同社の抗うつ薬であるパロキセチン(商標名パキシル)に関して、子供での服用で自殺の危険性が高まったという試験の結果を公表しなかったことなどによる裁判の結果、オンラインで全試験結果を公表することで合意した。すぐに、登録されなかった試験は掲載しないという、医学雑誌編集者国際委員会の声明が『米国医師会雑誌』『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』、『ランセット』といった一流医学誌でなされた。これにより否定的な結果が出て公表されなかったとしても、そうした試験の存在がわかりにくいということがなくなる。先のグラクソスミスクラインの裁判では、他の製薬会社もオンライン公開が期待されたが、それは叶わなかった。 世界保健機関とその関連機関が、グラクソスミスクラインによる未公表試験を含めてメタアナリシスされた結果、パロキセチンの効果は効果全体の17%であり、残りは偽薬効果などであることが明らかになった。
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