血液空気関門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/08 13:27 UTC 版)
血液空気関門 | |
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肺でのガス交換
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概要 | |
器官 | 呼吸器系 |
MeSH | D015824 |
TH | H3.05.02.0.00040 |
解剖学用語 |
血液空気関門(英: blood–air barrier, alveolar–capillary barrier/membrane)は、肺のガス交換領域に存在する膜構造で、血液中に気泡が形成されることと、血液が肺胞へ侵出することを防いでいる。この関門は肺胞壁のI型肺胞上皮細胞、毛細血管の内皮細胞、および両者間の基底膜により形成される。この関門は、分子状酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、その他多くのガスを透過する[1]。
構造

この血液空気関門は、充分な酸素拡散を可能にするために極めて薄い(約600 nm-2μm、場所によっては僅か200 nm)が、非常に強固である。この強度は内皮細胞と上皮細胞の間に存在するIV型コラーゲンに由来する。
臨床的意義
肺圧外傷によりバリア機能の破綻が生じる可能性がある。その原因として爆風による外傷、水泳による肺水腫、減圧時の肺への空気の閉じ込めや滞留などが挙げられる。空気の滞留は、潜水からの浮上時や、加圧車両・居住施設・与圧服からの減圧時に発生し得る。
関連項目
出典
- ^ Sheenan Kindlen (2003). Physiology for Health Care and Nursing. Elsevier Health Sciences. p. 130. ISBN 0-443-07116-0[リンク切れ]
外部リンク
- Anatomy photo: Respiratory/lung/vasc4/vasc - Comparative Organology at University of California, Davis – "Mammal, lung vasculature (EM, High)"
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