血の螺旋に狂うアッシュとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 血の螺旋に狂うアッシュの意味・解説 

アッシュ・クリムゾン

(血の螺旋に狂うアッシュ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/25 15:37 UTC 版)

アッシュ・クリムゾン
ザ・キング・オブ・ファイターズのキャラクター
ゲームでの初登場 ザ・キング・オブ・ファイターズ2003
長代聡之介
詳細情報
格闘スタイル 我流(特殊な炎を使う)
出身 不明(フランス育ち)
テンプレートを表示

アッシュ・クリムゾン(Ash Crimson)は、SNKプレイモア対戦型格闘ゲームザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズに登場する架空の人物。

『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下『KOF』と表記)の第10作目である『KOF2003』(以下『2003』と表記)から登場した、『KOF』シリーズ3代目の主人公。『2003』からのストーリーは彼の名前を取って「アッシュ編」と銘打たれている。前主人公の草薙京K'とは違い、アンチヒーローとして活躍している。担当声優長代聡之介

この項目では彼と関係の深い、斎祀(サイキ)についても説明する。

デザイン

亜麻色の髪をカチューシャで纏めた、そばかす顔の青年。その顔は美青年というより陰湿で不気味な雰囲気をかもし出しているが、どこか人を魅了する所があるという。

服装は赤をベースに統一されており、袖や裾には黒い泡のような模様と炎などを模した白抜きの紋章が入っている。歯の矯正をしているが、ゲーム中で見られることはほとんどない。『XII』では矯正が終わっている。

『XV』では上着の裾が長くなり首元を黒いファーで覆っていたりと、服装が寒冷地仕様を思わせるものにマイナーチェンジされている。

開発スタッフによると、一般的な主人公とは違う「魅力ある悪役」としてデザインしたという[1]。このためアッシュの存在は、京やK'のような物語の中心に身を置く典型的な主人公像を否定し、多分に狂言回しとしての立ち位置の強い主人公となった。

アーケードゲーム情報誌『月刊アルカディア』で第五回ベストキャラクター賞を獲得した。

設定

プロフィールには年齢が記載されていなかったが、『KOF XII』(以下『XII』と表記)の公式サイト[2]で16歳と発表された(PS2版『2003』に収録された初期資料では17歳となっている)。

常に飄々とした性格だが、言動や態度は子供っぽく、他人の不幸をヘラヘラと嘲笑って平然としていたり、馬鹿にするような発言を平気でするなど冷酷な面を持ち合わせている。また相当な面倒臭がりで、自分が興味のある物にしか目を向けない。時折語尾がカタカナになる(例:「〜だヨ」、「〜ネ」、「だよネ」)。しかし、『KOF XIII』(以下『XIII』と表記)のテリー・ボガードとの掛け合いでは、自身の放った嫌味を軽く受け流された上に苦笑され、珍しく逆上する一面を見せている。

一人称は「ボク」。あいさつや礼儀にフランス語を使う。ザッハトルテの他に、も好き。

水泡のように噴き出す、緑色の特殊な炎を操る。それ以外にも、相手の力(例:八咫の力、八尺瓊の力)を奪って我が物とする能力も持っている。

シェン・ウーとは香港滞在の際に知り合った旧知の仲。デュオロンとも『2003』の時点では知り合いのようだが、その経緯は不明。

エリザベート・ブラントルシュとは幼馴染みで、家柄から姉弟のように付き合っていた模様。『KOF XI』(以下『XI』と表記)のライバルチームエンディングでは名前を呼ばれ慌てる一面も見せている。アッシュはエリザベートを「ベティ」と呼んでいる。また彼女同様「遙けし彼の地より出ずる者たち」と相対する関係にあり、何らかの使命を持っていたが、現在は自らに与えられた使命を放棄し、三種の神器(草薙京・神楽ちづる八神庵)の能力を執拗に狙い、手中に収めようと企んでいる(真の目的は後述参照)。

『2003』ではデュオロンとシェン・ウーの2人で主人公チームを結成。ちづるから八咫の力を奪う。更に『XI』ではデュオロンが抜け、オズワルドが入る。庵から八尺瓊とオロチの力を奪った後、エリザベートの前で蒼い炎を出してみせた。

XIII』では本編初のエディット主人公である。本作で明らかになった彼の目的は「遥けし彼の地より出ずる者たち」を自らの手で壊滅させ、目的達成を阻むことであり、三種の神器の力を集めようとしたのも、最初から「-出ずる者たち」をおびき寄せるために仕組んだ行為であった。

また、当作では彼の直系の祖先である斎祀(サイキ)が中ボスとして登場する。彼を倒すとアッシュが隙を突いて斎祀の力を強奪するが、逆に斎祀がアッシュの肉体を乗っ取り、最終ボスの「血の螺旋に狂うアッシュ」となってプレイヤーの前に立ちはだかる。全てのエンディングでアッシュは斎祀の過去への帰還を阻止することに成功するが、「ご先祖様を消しちゃった」ためにタイムパラドックスが発生。この世界に祖先共々「初めから存在しなかった」ことになり、自身も消滅してしまった。なお彼と面識のある全ての人物の記憶から「アッシュの存在」が断片的に消滅したが、エリザベートの記憶からは消滅しておらず、アッシュの形見ともいえるカチューシャを手に涙を流していた。

しかし、消滅していたにもかかわらず、『KOF XIV』でバースに魂を吸収されていたことが判明し、さらにオフィシャル招待チームのエンディングで、眠りについたまま肉体と魂が復活していた。

XV』ではプレイアブルとキャラクターとして復活し[3]、ククリへの義理を果たすために大会に参加する[4]

客演登場

アニメ『The King of Fighters: Another Day』にも登場して、『KOF MAXIMUM IMPACT』(以下『MI』と表記)シリーズへの登場を匂わせた。『MI2』では背景での出演のみで終わったが、『REGURATION "A"』(以下『MIA』と表記)にはプレイヤーキャラクターとして登場している。キャッチコピーは「嘲笑う火影」。『MIA』ストーリーなどでシャオロンに、龍(ロン)またはデュオロンの居場所を聞かれた際には「どっちも聞き覚えがない」と答えているが、勝利台詞では「デュオロンなんて知らないがそのハンサムの名前を覚えておく」などと発言しており、他者を小馬鹿にした彼の性格が見て取れる。

Days of Memories 〜彼と私の熱い夏〜』では学園のおぼっちゃまとして登場し、平気に嘘をつくなどして、周りの人々に迷惑をかけていた。また『Days of Memories 〜僕と彼女と古都の恋〜』では、ファッションデザイナーを目指している高校生として登場。しかし、彼の奇抜なデザインで、一般受けは良くないらしい。

斎祀(サイキ)

斎祀(サイキ)
ザ・キング・オブ・ファイターズのキャラクター
ゲームでの初登場 THE KING OF FIGHTERS XIII
詳細情報
格闘スタイル 肉弾戦
出身 不明
テンプレートを表示

アッシュ編の黒幕で先述の通りアッシュの直系の祖先で「遥けし彼の地より出ずる者たち」の首領。顔立ちや服装はアッシュと瓜二つで、爪を気にする点まで同じ。アッシュとの違いは、顔のそばかすがなく、髪をカチューシャで纏めずに下ろしていることと、服装が白ベースで模様も入っていないこと。また顎のラインも微妙に異なる。

物質的な特徴を持つ黒い炎を操る他、時間を止めたり、相手の力を奪う能力を持っている。

普段は前述した通りアッシュに酷似した姿だが、中ボスとして登場する時は亜麻色のオールバックの長髪に赤黒い肌をした逞しい男性の姿に変身する。この際、衣服を身につけていないが、顔、手元、足元が黒い炎で覆われている。その後はアッシュの肉体を乗っ取り「血の螺旋に狂うアッシュ」と言う名で最終ボスとして登場。

性格は傲慢極まりなく、自分以外の全て、すなわち人間はもちろんのこと無界(ムカイ)などの仲間すらも「虫ケラ」「無能」と見下している。また仲間である無界を命令に背いたという理由で殺害するなど冷酷さが強調されている。その真の目的はオロチを復活させることで時空の扉を開き、元の過去に帰還して未来を自由自在に作りかえることにある。実はその一方で手下達をオロチの生贄にしようと企んでいたが、その事に既に気付いていたアッシュがシュルームとリメロに伝えてしまい、結果シュルームとリメロが謀反を起こし時空の扉が閉じ掛け焦り出し、その隙をアッシュに突かれ倒れる。しかし斎祀の思念がアッシュを乗っ取り、「血の螺旋に狂うアッシュ」としてKOF優勝者と戦うが敗北。敗北後はその身体で強引に時空の扉の向こうに進む事を試みるが今度はアッシュが意識を取り戻した事で自由に動けなくなり、時空の扉を使って斎祀の過去の世界に帰還を促すが「ボクは、この世界のことが・・・・・・けっこう、気に入ってるんだ。」という返答を出したアッシュに拒絶され時空の扉が完全に閉じてしまい、同時にその影響で斎祀は完全に消滅した。しかし先祖を消した影響でタイムパラドックスが発生してしまい、その矛盾で子孫のアッシュもまた「存在が無かった」事にされ、アッシュも消滅してしまった。

『XIII』の拳崇との掛け合いで実は龍と知り合いで「龍の力」を知ってる様な事を仄めかしたが、詳しい事は最後まで話さなかった。

業務用では変身後がCPU専用の中ボスで登場するのみだが、家庭用『XIII』で斎祀・変身前としてプレイアブルキャラクターとなる。

アッシュと同じく担当声優は長代聡之介。変身後の声は収録後に低く加工されているが、変身前では加工前のものを流用している。

セッティング

斎祀の人格についてはスタッフによると「嫌な奴」であり、制作中はキャラクター作りの参考とするためにネット上の口汚い言葉を検索していたとのこと[5]

同様の理由から、開発中はキャラクターの身体の様々な個所に炎をともすという試行錯誤が行われた[5]。炎が灯る前のグラフィックは黒い部分が白く表示されるため、裸に靴下をはいているというおかしな容姿だったと『XIII』でゲームデザインディレクターを務めた山本圭は同作の公式サイトのインタビューの中で振り返っている[5]

また山本は、斎祀の持つ「特殊な力」のイメージがわかず苦労したと『XIII』の公式サイトの中で振り返っている[5]。『XIII』のアートディレクターの西村は、モーションやエフェクトをいやらしくしてほしいという発注があったため、エフェクトは粘性が高い液体をイメージしたと話している[5]

脚注

注釈

出典




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「血の螺旋に狂うアッシュ」の関連用語

血の螺旋に狂うアッシュのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



血の螺旋に狂うアッシュのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアッシュ・クリムゾン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS