蛇行剣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 21:32 UTC 版)
蛇行剣(だこうけん)は、古墳時代の日本の鉄剣の一つ(大きさによっては鉾と捉えられている)。文字通り剣身が蛇のように曲がりうねっている(蛇が進行しているさまの如く)形状をしているため、こう名づけられている[1]。
- ^ 後藤守一によって、「蛇行曲身剣」と名付けられたことから始まる。参考・伊藤雅文 『中部地方出土の蛇行剣』より。
- ^ 田中茂の研究によれば、「蛇行剣は利器としての性格よりも呪術的役割を目的として鍛造され、一群の司祭的立場にあった人物のもと保管されていた」と解釈する。参考・伊藤雅文 『中部地方出土の蛇行剣』より。
- ^ ただし、クリス短剣は今もその信仰が忘れ去られていない文化であるが、蛇行剣は4世紀から6世紀の遺跡から出土し、以降は呪術的意味が忘れ去られており(風土記に断片的な記録が残るのみ)、また、確実に判明している年代においても蛇行剣の方が古い。蛇行形状の武器という点でも、実質上、日本の蛇行剣は世界的に古い部類に入る(中国の蛇矛、ヨーロッパ圏のフランベルジュも参照)。
- ^ 柄が長くなって重い分、バランスを取る必要性もある。
- ^ “奈良・富雄丸山古墳で国内最大の蛇行剣出土、類例ない盾形銅鏡も”. 産経ニュース. 2023年2月25日閲覧。
- ^ 橋本 & 藤井 2007, pp. 1–4.
- ^ 石野博信著 『古墳時代を考える』 2006年 雄山閣 ISBN 4-639-01932-7 p.121より
- ^ 『世界考古学体系 3 日本Ⅲ 古墳時代』 1959年 平凡社 p.70より(挿図p.69)
- ^ 『女性はにわ その装いとしぐさ』 1999年 埼玉県立博物館 p.79
- ^ 一例として、三重県松阪市天王山1号墳出土のものがあり、鞘口に漆膜痕跡もある。
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