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源範頼

(蒲殿 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 02:48 UTC 版)

源 範頼(みなもと の のりより)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武将河内源氏の流れを汲む源義朝の六男。源頼朝の異母弟で、源義経の異母兄。


注釈

  1. ^ いずれも出家している(『尊卑分脈』)。
  2. ^ 範頼に宛てた同日付の頼朝書状の文面の記録がある[7]。その内容は性急な攻撃を控え、天皇・神器の安全な確保を最優先にするよう念を押したものだった。一方、義経が出陣したのは頼朝書状が作成された4日後であり[8]、屋島攻撃による早期決着は頼朝書状に記された長期戦構想と明らかに矛盾する。吉田経房が「郎従(土肥実平梶原景時)が追討に向かっても成果が挙がらず、範頼を投入しても情勢が変わっていない」と追討の長期化に懸念を抱き「義経を派遣して雌雄を決するべきだ」と主張していることから考えると、屋島攻撃は義経の「自専」であり、平氏の反撃を恐れた院周辺が後押しした可能性が高い。『平家物語』でも義経は自らを「一院の御使」と名乗り、伊勢義盛も「院宣をうけ給はって」と述べている。これらのことから、頼朝の命令で義経が出陣したとするのは、平氏滅亡後に生み出された虚構であるとする見解がある[9]。この説に対して出陣には一定の準備を要することや京都における頼朝の代官であった義経が頼朝の許可なく持ち場を離れることは困難で、頼朝も鎌倉から近藤国平と中原久経を義経の代理として派遣していることから、頼朝からも何らかの命令を受けていたはずであるとする説がある。なお、近藤・中原の両名は後に九州に向かい、鎌倉に帰還する範頼から九州の処理を引き継いでいる[10]
  3. ^ 平家物語』では、頼朝より義経追討の大将軍に任じられた範頼はしきりに辞退したが、厳命であると伝えられたため小具足を付けて頼朝のもとに参上した際に「おぬしは義経の二の舞をするなよ」と言われ、その言葉に恐れて小具足を脱いで出陣せずに起請文を1日に10枚づつ100日で1000枚書いて頼朝に奉ったが認められず、ついに頼朝に討たれた、とされている。
  4. ^ 伊豆市教育委員会設置の現地案内板によると、伊豆国修禅寺の信功院(現・日枝神社境内)に幽閉されたとしている。

出典

  1. ^ 系図纂要
  2. ^ 菱沼一憲 2015, pp. 12–13.
  3. ^ 菱沼一憲 2015.
  4. ^ a b 『吾妻鏡.第1』 壽永三年二月一日条一〇四頁 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  5. ^ 菱沼一憲 2015, pp. 47–48.
  6. ^ 金澤正大 1997.
  7. ^ 『吾妻鏡』元暦2年(1185年)正月6日条
  8. ^ 吉記』『百錬抄』同日条
  9. ^ 宮田敬三「元暦西海合戦試論-「範頼苦戦と義経出陣」論の再検討-」『立命館文学』第554号、1998年。 
  10. ^ 菱沼一憲 2015, pp. 62–64.
  11. ^ 菱沼一憲 2015, pp. 72–86.
  12. ^ データベース『えひめの記憶』伊予市誌』(プレスリリース)愛媛県生涯学習センターhttps://www.i-manabi.jp/system/regionals/regionals/ecode:3/35/view/101382022年2月15日閲覧 
  13. ^ 『源平盛衰記.5』 三九一 屋島八月十五夜付範頼西海道下向の事/1322p - 国立国会図書館デジタルコレクション
  14. ^ 菱沼一憲『中世地域社会と将軍権力』汲古書院、2011年、87-90頁。 


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