菜の花菜の花子供でも生もうかな
作 者 |
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季 語 |
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季 節 |
春 |
出 典 |
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前 書 |
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評 言 |
三月に逝去された時実新子の句だ。新子は川柳作家だが「正直な自分を素直に俳句にする」表現者として、俳句と川柳という壁を越えた存在だ。この句は病身の夫のもとを去って、妻子ある出版社の社長との愛に堕ちていく時の一句だ。新子の代表句「妻をころしてゆらりゆらりと訪ね来よ」もその時期に作られている。胸奥にいつも深い哀傷を秘めながら、愛に生きた新子の残した句を私はバイブルだと思っている。「出発やせめても胸に白い花」その社長と二人だけの結婚式をあげた時の句にも惹かれる。 私の「わが憎悪ついに話さず母を焼く」という句を最初に認めて下さり「これ以上の母恋の句はありませんね」といわれた言葉を忘れることはない。 Photo by (c)Tomo.Yun |
評 者 |
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備 考 |
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