二階借り
(茶漬間男 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/08 13:50 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2013年8月)
|
『二階借り』(にかいがり)は、古典落語の演目。『二階の間男』(にかいのまおとこ)という演題もある[1]。
妻が知り合いの男と不倫の関係になっていることに気付かず、自宅の2階で情事をさせてしまう夫を描く。夫が茶漬けを食べる描写を入れる形の口演があり、上方落語では『茶漬間男』の題で、また東京でも5代目春風亭柳昇が『お茶漬け』の題で演じている[要出典]。
古いものでは初代三遊亭圓遊(鼻の圓遊)の速記本が残っている[1]。天保13年の漢文体笑話集『奇談新編』に類話が掲載されており、武藤禎夫は「おそらくすでに口演されていたとも考えられよう」と記している[1]。
あらすじ
ある不倫中の男女。女は夫の友人と男女の関係になった。金のない男は女を外に連れ出す手間を嫌がり、夫が在宅中の家の2階で情事に及ぼうと思いつく。男は友人である夫に、相手が彼の妻だとは教えずに、とある人妻だということにして2階を借りる許可を得た上で女(=妻)の顔が判らないように明かりを消して二階に上がる。その折、夫は茶漬けを食うことに夢中で、2階で男に抱かれているのが自分の妻だということに気づかない。
ことが終わり、2人は再び明かりを消して出て行く。妻は何食わぬ顔で帰宅する。夫は、「今日、友人に2階を貸したよ。相手は人妻だってさ。まったく、その女の旦那はどんな男で、何してるんだろう」と、茶漬けを食いながら、妻に語る。妻は、「今頃その旦那は、お茶漬でも食べてるんじゃない?」と答える。
バリエーション
武藤禎夫の『定本 落語三百題』掲載のあらすじ(題は『二階の間男』)では、不倫相手の男が「おかみさんがいちゃ女がきまり悪がるので、湯へでも出しておくんなさい」と妻を外に出させ、落ち合ってから(そこで一度妻は男がほかに女を作ったかと誤解して怒る)、夫によって灯りが消された家の2階に二人でに上がり、夫はその音を耳にしながら「こうやって連れてこられる女房の、先方(さき)の亭主の面が見てやりてえや」とつぶやく形になっている[1]。
脚注
参考文献
- 武藤禎夫『定本 落語三百題』岩波書店、2007年6月28日。ISBN 978-4-00-002423-5。
関連項目
固有名詞の分類
- 二階借りのページへのリンク