膜骨格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 14:48 UTC 版)
α鎖スペクトリン (Spectrin) と β鎖スペクトリンが連結した一本の線状のタンパク質が並んで2本絡まった長さ 200nm のひも状のタンパク質(α鎖2本β鎖2本の4量体スペクトリン)が、4.1タンパク (Band4.1) やアクチン (Actin) などのタンパク質によって連結され網状になり脂質二重層に接するように存在するのが膜骨格である。スペクトリンは収縮性に富み、伸びきると4量体で 200nm の長さが普段はスプリングのように40nm程度に収縮し、その収縮したスペクトリンが網状に連結された膜骨格はアンキリン (Ankyrin) や4.1タンパクによって膜縦貫タンパク質・バンド3タンパク (Band3) やグリコフォリン (Glycophorin) に結合され脂質二重層にぶら下がるように接している。 この膜骨格は赤血球が狭い毛細血管に入り込むときに変形するとスプリングが伸びたような状態で赤血球の変形に対応し毛細血管をくぐり抜けた後には収縮して赤血球の形を保つ。この脂質二重層の細胞膜を膜骨格が裏打ち補強している構造が赤血球膜の柔軟性と安定性をもたらしている。
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