羌渠の名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 14:32 UTC 版)
羌渠という名は『晋書』四夷伝北狄匈奴の条に記載されている南匈奴十九種族のひとつ羌渠種と同じ名である。これについて岡崎文夫の『魏晋南北朝通史』では、南単于の系統(冒頓よりつづく虚連題部)と羌渠よりはじまる系統(前趙の劉氏)は異なるとしている。たしかに虚連題部は代々単于を選出してきた南匈奴の屠各種に属するが、『後漢書』において車紐単于(在位:140年)以降の系統がつながっているのかが不明なので、あるいは羌渠単于は屠各種の単于ではなく、羌渠種から出た単于なのかも知れないと述べている。しかし、内田吟風の『北アジア史研究』では、『晋書』李矩伝と『晋陽秋』と『魏書』衛操伝などの史料に前趙の劉氏が屠各種であるという記述が見られ、むしろ羌渠という名は、その出生時に屠各種が羌渠種に対して行った討伐征服、あるいは羌渠種(羯族の前身)が帰順した記念としてつけられた名であるとした。
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