籠の中の教王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「籠の中の教王」の解説
バートン版「モスルのイサアク(第279夜‐第282夜)」 東洋文庫版「モスルのイスハーク(第279夜‐第282夜)」 モースルの歌手イスハークは、教王アル・マアムーンの宴会の帰り、酔っぱらって立ち小便をしていた。すると頭上から、クッションをしいた籠がロープにつるされてするすると降りてくる。試しに籠の中に入ってみるとたくし上げられ、女たちが大勢いる家の中に招かれた。主人とおぼしき美しい乙女はイスハークを歓待し、彼の持ち歌をすばらしい歌声で歌う。イスハークは自分を機織り職人と自称し、それが自分の歌だとは言わなかった。やがて朝になると宴会も果て、再び籠に乗って地上に下ろされ、イスハークは帰宅する。 次の夜、イスハークは教王の宴会を無視して女の家に向かう。帰りがけ、本当のことを言わねば教王が許すまいと思ったイスハークは、次はいとこを連れてくると乙女に告げる。案の定教王は怒っていたが、事情を話すと乗り気になる。自分の名を言わぬよう打ち合わせ、教王とともに女の家で遊んでいたが、教王はついイスハークの名を口に出してしまった。すると乙女は、顔を隠して奥に隠れる。 正体を明かして調べさせると、乙女は大臣ハサン・ベン・セヘルの娘カディージャだった。教王は乙女を召し出し、正妻として迎えた。
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