箱枕とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 道具 > > 箱枕の意味・解説 

はこ‐まくら【箱枕】

読み方:はこまくら

箱形の台の上に、小さなくくり枕をつけたもの


箱枕

読み方:ハコマクラ(hakomakura)

箱形木枕


垜枕

(箱枕 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 09:06 UTC 版)

典型的な垜枕
垜枕を使用する女性

垜枕(あずちまくら)とは、細長い枕(小枕)を裾広がりで上部に向かって狭くすぼまる形状(台形)の箱の上に載せて使うの一種である[1][2][3]。箱の形状が弓道のに似ていることからその名がついた[4]箱枕ともいう[1]日本国語大辞典によると文字史料での初出は1789–1801年頃に出版された『洒落本・玉之帳』の「しまぐんないの夜着の袖に入てあるあづち枕を二ツだしてならべ」という記述であるという[2]

垜枕は、古代から中世にかけての日本で用いられていた木枕から発展したものであり[3]を結う文化とともに登場し[4]大正時代のはじめ頃までは用いられていた[3]。近世日本の女性は髪を鬢付油で固めて頭上にまとめることが多く、なるべく髪型を崩さないよう枕が髪に当たる面積を極力少なくし、の付け根にあてがって用いられる[4][5]。そのため主に女性に用いられていた[2]。また、男性においてもちょんまげが流行したため、髷を崩さない枕が求められた[3]

初期の垜枕は木枕の内部を空洞にしたものであったが、享保の頃から底を広く作るようになった[5]。底部を弓形に反らせた「船底枕」と呼ばれるものもあり、寝返りをうちやすかったという[6]。木材にはケヤキなどが『用いられ、小枕は布製の袋にそば殻もみ殻アズキなどを入れていた[6]。頭・首が当たる箇所には紙を2–3枚巻き、紐で箱枕とくくりつけて固定する[6]

出典

  1. ^ a b 垜枕」『デジタル大辞泉』小学館https://kotobank.jp/word/%E5%9E%9C%E6%9E%95コトバンクより2025年6月21日閲覧 
  2. ^ a b c 垜枕」『精選版 日本国語大辞典』小学館https://kotobank.jp/word/%E5%9E%9C%E6%9E%95コトバンクより2025年6月21日閲覧 
  3. ^ a b c d 矢野 1985, p. 141.
  4. ^ a b c 垜枕」『世界大百科事典(旧版)』平凡社https://kotobank.jp/word/%E5%9E%9C%E6%9E%95コトバンクより2025年6月21日閲覧 
  5. ^ a b 矢野 1985, p. 142.
  6. ^ a b c 矢野 1985, p. 143.

参考文献


「箱枕」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



箱枕と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「箱枕」の関連用語

1
100% |||||

2
入れ子枕 デジタル大辞泉
100% |||||

3
塗枕 デジタル大辞泉
100% |||||

4
船底枕 デジタル大辞泉
98% |||||

5
左扇 デジタル大辞泉
78% |||||

6
木枕 デジタル大辞泉
78% |||||

7
枕箱 デジタル大辞泉
78% |||||

8
垜枕 デジタル大辞泉
70% |||||

9
括り枕 デジタル大辞泉
70% |||||

10
欠徳利 デジタル大辞泉
70% |||||

箱枕のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



箱枕のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの垜枕 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS