第3自動車化狙撃師団_(ロシア陸軍)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 第3自動車化狙撃師団_(ロシア陸軍)の意味・解説 

第3自動車化狙撃師団 (ロシア陸軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/08 19:26 UTC 版)

第3自動車化狙撃師団
創設 1943年5月28日
所属政体 ソビエト連邦
ロシア
所属組織 ロシア陸軍
編制単位 師団
兵科 自動車化狙撃兵
兵種/任務 機械化部隊
所在地 ベルゴロド州ヴァルイキ
通称号/略称 54046
愛称 ヴィスワ
上級単位 第20親衛諸兵科連合軍
戦歴 第二次世界大戦
プラハの春
ハンガリー動乱
第一次チェチェン紛争
第二次チェチェン紛争
ドンバス戦争
ロシアのウクライナ侵攻
指揮官 アレクセイ・アヴデーエフ少将
テンプレートを表示

第3自動車化狙撃師団(だい3じどうしゃかそげきしだん、ロシア語: 3-я мотострелковая дивизия)は、ロシア陸軍師団第20親衛諸兵科連合軍隷下。

歴史

第二次世界大戦

1943年5月28日、第二次世界大戦の影響に伴い、赤軍第31戦車軍団としてロシア・ソビエト連邦社会主義共和国クルスク州で創設された[1]

1943年7月から独ソ戦に投入され、枢軸国に勝利し、赤旗勲章、2等スヴォーロフ勲章、2等クトゥーゾフ勲章、名誉称号「ヴィスワ」を授与された[2]

1945年7月、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国フメリニツキー州に移駐し、部隊縮小に伴い、第31戦車師団に改編された[1]

冷戦期

プラハの春感謝状

1946年6月、第8機械化軍に配属された[3]

1956年10月、ハンガリー動乱第100戦車連隊第11親衛機械化師団と共にハンガリー人民共和国に派遣され、ハンガリー革命軍を鎮圧した[3]

1968年8月、プラハの春で第1259物資保管基地と共にチェコスロバキア社会主義共和国に派遣され、チェコスロバキア人民軍を鎮圧した。チェコスロバキアに移駐し、第28軍団に配属された[1][3]

1990年4月、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国ゴーリキー州に移駐した[1]

ロシア

1992年5月、ソビエト連邦の崩壊ロシアの独立で創設されたロシア陸軍に編入した。

1994年12月から第一次チェチェン紛争第二次チェチェン紛争に派遣された。

1997年7月、歩兵部隊化に伴い、第3自動車化狙撃師団に改編された[1]

2009年1月、第100戦車連隊が第6独立戦車旅団に改編され、第22諸兵科連合軍に転属した。

2009年3月、部隊縮小に伴い、第9独立自動車化狙撃旅団に改編された[1]

2016年10月、部隊増強に伴い、第3自動車化狙撃師団に改編された。

ロシアのウクライナ侵攻

北東部・イジューム戦線

2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻ロシアベルゴロド州に配備されて攻勢を開始し、ルガンスク人民共和国から進軍してきた友軍と東部ルハーンシク州セヴェロドネツィク方面で合流する手はずだったが撃退された[4]

2022年4月、北東部ハルキウ州に再配置され、第144親衛自動車化狙撃師団の救援でイジューム方面で攻勢を開始し、第252親衛自動車化狙撃連隊のイゴール・ニコラエフ連隊長、ドミトリー・トプトゥン大隊長が戦死したが、イジューム南のドベンケを占領した[5][6][7]。占領中には住民から毒入りのパイピロシキを振る舞われ、戦死者2人、戦傷者28人の損害を受けた[8]。9月にはウクライナ軍の攻勢でハルキウ州の大部分を解放されて撤退した[9][10]

東部・北ドネツク戦線

2022年9月、第752親衛自動車化狙撃連隊が東部ドネツィク州に配備され、ウクライナ軍の攻勢でリマンに包囲され降伏勧告を無視して抗戦し大損害を出したが、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ4州の併合を発表すると撤退した[11][12]

東部・スヴァトヴェ-クレミンナ戦線

2022年10月、東部ルハーンシク州に再配置され、兵員を9月下旬に発表されたばかりの動員兵で充足して再編された[13]スヴァトヴェ方面を防御していたが、第252連隊がウラジーミル・プーチン大統領が動員兵は後方地域に配置すると発表したにも拘わらず、2週間の新兵訓練後に前線に配置されたことを不服として無断撤退した。他部隊の指揮官に脱走兵と見咎められたが、書類上では部隊はロシアで訓練中となっていたため、撤退を許可されて帰国後に脱走兵として拘束された[14]

2023年6月に第237戦車連隊のデニス・ブヤノフ連隊長[15]、2024年7月に第159独立対戦車砲大隊のルスタム・アビタエフ大隊長[16]、11月に第752連隊のセルゲイ・イサエフ戦車大隊長が戦死した[17]

2025年3月、第752連隊が第144親衛自動車化狙撃師団第254連隊と共にスヴァトヴェ方面を防御していたが、第3独立強襲旅団の30時間かけた執念の攻勢でナジーヤ村を解放されて全滅した[18]

編制

現在

  • 師団司令部(ヴァルイキ)
  • 第252親衛自動車化狙撃連隊
  • 第362自動車化狙撃連隊
  • 第752親衛自動車化狙撃連隊
  • 第237戦車連隊
  • 第99親衛自走砲連隊
  • 第1143高射ミサイル連隊
  • 第159独立対戦車砲大隊
  • 第84独立偵察大隊
  • 第337独立工兵大隊
  • 第692独立通信大隊
  • 第911独立兵站大隊
  • 第231独立衛生大隊
  • 電子戦中隊
  • NBC防護中隊
  • 無人航空機中隊

1988年

  • 師団司令部(チェコスロバキア
  • 第77親衛戦車連隊
  • 第100戦車連隊
  • 第237戦車連隊
  • 第322自動車化狙撃連隊
  • 第1047砲兵連隊
  • 第1143高射ミサイル連隊
  • 第653独立ミサイル大隊
  • 第84独立偵察大隊
  • 第145独立工兵大隊
  • 第692独立通信大隊
  • 第152独立整備大隊
  • 第911独立補給大隊
  • 第231独立衛生大隊
  • 第492独立化学防護中隊

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b c d e f 第31戦車師団 The Luftwaffe, 1933-45
  2. ^ 第3(第8親衛)機械化軍団 ヴォロネジ州立大学公式サイト
  3. ^ a b c 8 армійський корпус Ukrainian Military Pages
  4. ^ Russian Offensive Campaign Assessment, March 5 戦争研究所
  5. ^ Offensive Campaign Assessment, March 17 戦争研究所
  6. ^ Ukraine War, 4–5 April, 2022 トム・クーパー
  7. ^ ドミトリー・トプトゥン トップ貨物200便
  8. ^ ウクライナ市民が振舞った“毒入りパイ”でロシア兵30人が死傷 女性自身
  9. ^ Український наступ. Що сталося на Слобожанщині? LB.ua
  10. ^ ウクライナ軍、北東部ハルキウ州で30超の集落を掌握 ゼレンスキー氏 CNN
  11. ^ A Russian Regiment, Currently Surrounded In Eastern Ukraine, Has A Tragic History Of Defeat フォーブス
  12. ^ プーチン氏が併合宣言した東部要衝リマンをウクライナが奪還宣言 撤退のロシア側には核使用の強硬論も 東京新聞
  13. ^ Ukraine War, 27 September 2022 トム・クーパー
  14. ^ Мобилизация: необученных кинули в самое пекло, а они ушли с фронта ラジオ・フリー・ヨーロッパ
  15. ^ Denis Buyanov トップ貨物200便
  16. ^ Rustam Abitayev トップ貨物200便
  17. ^ Сергей Исаев: защищать Родину – это моё призвание! レニノゴルスク市公式サイト
  18. ^ ウクライナ軍、ルハンシク州ナジーヤ村をロシア軍から解放 ウクルインフォルム



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  第3自動車化狙撃師団_(ロシア陸軍)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第3自動車化狙撃師団_(ロシア陸軍)」の関連用語

第3自動車化狙撃師団_(ロシア陸軍)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第3自動車化狙撃師団_(ロシア陸軍)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの第3自動車化狙撃師団 (ロシア陸軍) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS