第20親衛諸兵科連合軍 (ロシア陸軍)とは? わかりやすく解説

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第20親衛諸兵科連合軍 (ロシア陸軍)

(第20軍 (ロシア陸軍) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/21 21:45 UTC 版)

第20親衛諸兵科連合軍
創設 1945年3月18日
所属政体 ソビエト連邦
ロシア
所属組織 ロシア陸軍
部隊編制単位
兵科 諸兵科連合
兵種/任務 諸兵科連合作戦
人員 20,000人[1]
所在地 ヴォロネジ州ヴォロネジ
上級単位 モスクワ軍管区
戦歴 第二次世界大戦
プラハの春
ロシアのウクライナ侵攻
指揮官 スクラブ・アフメドフ少将
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第20親衛諸兵科連合軍(だい20しんえいしょへいかれんごうぐん、ロシア語: 20-я гвардейская общевойсковая армия)は、ロシア陸軍モスクワ軍管区隷下。

概要

第二次世界大戦

1945年3月18日、第二次世界大戦の影響に伴い、赤軍第4戦車軍としてロシア・ソビエト連邦社会主義共和国で創設された[2]

同月から独ソ戦に投入され、枢軸国に勝利し、名誉称号「親衛隊」を授与された[2]

冷戦

1946年6月、ハンガリー共和国に移駐し、第4親衛機械化軍に改編された[3]

1946年10月、部隊縮小に伴い、第4親衛機械化軍団に改編された[3]

1947年5月、占領軍として東ドイツに移駐した[3]

1950年3月、部隊増強に伴い、第4親衛機械化軍に改編された[3]

1957年4月、諸兵科連合部隊化に伴い、第20親衛諸兵科連合軍に改編された[3]

1968年8月、プラハの春に投入された。

1974年1月、赤旗勲章を授与された[3]

ロシア陸軍

1992年12月26日、ソビエト連邦の崩壊ロシアの独立に伴い、創設されたロシア陸軍に編入した。

1994年8月、ヴォロネジ州に移駐し、部隊縮小に伴い、第20親衛軍団に改編された[3]

1998年、部隊増強に伴い、第20親衛諸兵科連合軍に改編された。

ロシアのウクライナ侵攻

北東部・ハルキウ戦線

2022年2月24日から、ロシアのウクライナ侵攻では、ロシアベルゴロド州から攻勢を開始し、3月上旬までに北東部ハルキウ州クプヤンシクバラクリヤ、東部ルハーンシク州スヴァトヴェを占領したが、ルガンスク人民共和国から進軍してきた友軍とセヴェロドネツィクで合流する前に撃退された[4]

2022年2月24日から、第144親衛自動車化狙撃師団第6諸兵科連合軍と合同でロシアベルゴロド州から攻勢を開始し、侵攻初日に北東部ハルキウ州ハルキウ市内中心部まで進軍したが、3日間の市街戦の末に撃退された[5][6]

2022年3月、北東部ハルキウ州イジューム地区で攻勢を開始し、第144親衛自動車化狙撃師団が大損害を受け、第3自動車化狙撃師団のイゴール・ニコラエフ第252親衛自動車化狙撃連隊長が戦死したが、4月にイジュームを占領した[7][8]。並行して第144親衛自動車化狙撃師団がハルキウ攻略も目指していたが、第59親衛戦車連隊が全滅し、アレクサンドル・ベスパロフ連隊長、エゴール・メレシェンコ参謀長が戦死して撃退された[6][9][10][11]

2022年4月、第3自動車化狙撃師団が第29諸兵科連合軍第35諸兵科連合軍第36諸兵科連合軍第68軍団と合同で攻勢を開始し、6月にドベンケを占領した[7][12]。占領中に第3自動車化狙撃師団が住民から毒入りのパイピロシキを振る舞われ、戦死者2人、戦傷者28人の損害を出した[13]。9月上旬にはウクライナ軍が攻勢を開始し、ハルキウ州の大部分を解放されて撤退したが、第144親衛自動車化狙撃師団が友軍の撤退支援で殿を務めてオスコル川の防衛線で大損害を受けた[14][15][1]

東部・北ドネツク戦線

2022年9月、東部ドネツィク州クラマトルシク地区に再配置されていたが、ウクライナ軍の攻勢でリマンに包囲され降伏勧告を無視して抗戦し大損害を出したが、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ4州の併合を発表すると撤退した[16][17][18]

東部・バフムート戦線

2022年9月下旬、第144親衛自動車化狙撃師団が激戦地の東部ドネツィク州バフムート地区に再配置されたが、度重なる激戦で損耗していたため全滅した[1]

東部・スヴァトヴェ-クレミンナ戦線

2022年10月、東部ルハーンシク州スヴァトヴェ地区に再配置され、兵員を9月下旬に発表されたばかりの動員兵で充足して再編された[1][19]第3自動車化狙撃師団隷下の第252親衛自動車化狙撃連隊がウラジーミル・プーチン大統領が動員兵は後方地域に配置すると発表したにも拘わらず、2週間の新兵訓練後に前線に配置されたことを不服として無断撤退した。他部隊の指揮官に脱走兵と見咎められたが、書類上では部隊はロシアで訓練中となっており、徒歩での撤退を許可されて帰国後に脱走兵として拘束された[20]。2023年6月には第237戦車連隊のデニス・ブヤノフ連隊長が戦死した[21]

2023年5月、第144親衛自動車化狙撃師団が東部ルハーンシク州セヴェロドネツィク地区に再配置されていたが、第148独立偵察大隊のウラジーミル・アセーエフ大隊長が戦死し[22]、6月には出撃前にクレミンナで第20親衛諸兵科連合軍のスクラブ・アフメドフ司令官の到着を待ち整列していたところをウクライナ軍に砲撃され、死傷者200人の損害を出したとクレムリン系軍事ブロガーのミハイル・ズビンチュクやワグネル・グループが報告した[23]。以後も第59親衛戦車連隊のセルゲイ・ボルスク副連隊長が戦死した[24]

編制

ギャラリー

著名な出身者

脚注

  1. ^ a b c d The Ukrainian Army Reportedly Destroyed Another Russian Division フォーブス
  2. ^ a b 第4親衛戦車軍 ヴォロネジ州立大学公式サイト
  3. ^ a b c d e f g 第20親衛諸兵科連合軍 The Luftwaffe, 1933-45
  4. ^ Russian Offensive Campaign Assessment, March 5 戦争研究所
  5. ^ ウクライナ前線ルポ 砲弾降り注ぐハルキウの守備隊と住民 BBC
  6. ^ a b "Підступ НАТО" та родичі в Україні: що розповів полонений військовий РФ у Малій Рогані ススピーリネ
  7. ^ a b Ukraine War, 4–5 April, 2022 トム・クーパー
  8. ^ Offensive Campaign Assessment, March 17 戦争研究所
  9. ^ アレクサンドル・ベスパロフ トップ貨物200便
  10. ^ エゴール・メレシェンコ トップ貨物200便
  11. ^ ロシア軍、第2都市ハルキウから完全撤退か 反撃に対応できず被害 朝日新聞デジタル
  12. ^ ロシア軍、イジューム戦線に240ミリ自走迫撃砲投入 各地の戦況報告=ウクライナ軍参謀本部 ウクルインフォルム
  13. ^ ウクライナ市民が振舞った“毒入りパイ”でロシア兵30人が死傷 女性自身
  14. ^ Український наступ. Що сталося на Слобожанщині? LB.ua
  15. ^ ウクライナ軍、北東部ハルキウ州で30超の集落を掌握 ゼレンスキー氏 CNN
  16. ^ Российская армия попала в котел в Лимане. Сколько военных оказалось в окружении? iStories
  17. ^ A Russian Regiment, Currently Surrounded In Eastern Ukraine, Has A Tragic History Of Defeat フォーブス
  18. ^ プーチン氏が併合宣言した東部要衝リマンをウクライナが奪還宣言 撤退のロシア側には核使用の強硬論も 東京新聞
  19. ^ Ukraine War, 27 September 2022 トム・クーパー
  20. ^ Мобилизация: необученных кинули в самое пекло, а они ушли с фронта ラジオ・フリー・ヨーロッパ
  21. ^ デニス・ブヤノフ トップ貨物200便
  22. ^ ウラジーミル・アセーエフ トップ貨物200便
  23. ^ Подразделения 20-й армии ВС РФ потеряли около 100 человек убитыми под Кременной iStories
  24. ^ セルゲイ・ボルスク トップ貨物200便



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