社会詠の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/17 01:17 UTC 版)
「赤紙の表紙手擦れし国禁の書(ふみ)を行李(かうり)の底にさがす日」(石川啄木) 啄木は、自分の経済的な苦しみの原因は社会にあると考え、社会主義思想に関心を持ち国禁の書を読みふけった。生活詠的社会詠の先駆けと言える。 「小工場に酸素溶接のひらめき立ち砂町四十町夜ならむとす」(土屋文明) 町工場に朝早くから夜遅くまで懸命に働く人々、そこに働く庶民たちに思いを寄せた新鮮な社会詠である。 「世をあげし思想の中にまもり来て今こそ戦争を憎む心よ」(近藤芳美) 若いころマルクス主義に傾倒し、キリスト教にも触れた近藤の社会の現実に触れた鋭い眼差しと清新な抒情は社会派歌人と言われるに相応しい。
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