白浪物の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 16:46 UTC 版)
白浪物に登場する主人公は、いずれも石川五右衛門や児雷也のような大盗賊ではなく、市井に住む平凡な男女で、これがよんどころない事情で盗賊となり、義理人情に翻弄された揚句に、自滅するか改心して縛につくという設定である。特に黙阿弥物の盗賊には、南北物の悪人のようなふてぶてしさが見られず、筋書きもむしろお定まりの勧善懲悪の展開がほとんどで、ドラマとしては迫力に欠ける点がある。しかし幕末の退廃と刹那に満ちた世相を色濃く伝える白浪物には、史料が伝えない当時の空気を窺い知ることのできる貴重な資料としての価値もある。
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