田舎家と木々のある風景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/11 09:31 UTC 版)
ドイツ語: Landschaft mit einer Hütte 英語: Landscape with a Cottage and Trees |
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作者 | ヤーコプ・ファン・ロイスダール |
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製作年 | 1646年 |
種類 | キャンバス上に油彩 |
寸法 | 64.7 cm × 70.8 cm (25.5 in × 27.9 in) |
所蔵 | ハンブルク美術館 |
『田舎家と木々のある風景』(いなかやときぎのあるふうけい、英: Landscape with a Cottage and Trees)、または『田舎家のある風景』(いなかやのあるふうけい、独: Landschaft mit einer Hütte)は、オランダ絵画黄金時代の画家ヤーコプ・ファン・ロイスダールが画業初期の1646年に板上に油彩で制作した絵画である。現在、ハンブルク美術館に所蔵されている[1][2]。
作品
この絵画は砂丘近くの風景を表しており、濃い木立の中に慎ましい田舎家と荒れ果てた小屋を描いている。主役となっているのは人々ではなく、自然である[3]。画面中景左側の平らな地では、女がリネンの布を漂白するために広げており、男がそれを見ている。彼女の前では牧童が牛の世話をしている。別の女が苔の生えた田舎家から出てきている[1]。鑑賞者は自然の中を散策している気分になるが、風景は実物ではなく、ロイスダールが動く雲の下、絵画的要素を組み合わせている理想化された景観である[1]。
この絵画は、1911年に研究者ホフステーデ・デ・フロートにより以下のように記述されている。
806番。田舎家のある風景。田舎家の前に牛、豚、そのほかの動物を連れた牧童がいる。右側には樹皮の剥がれた木がある。そばの水面にはアヒルがいる。陽光が左側遠景の木々に降り注いでいる。精緻に仕上げられた、顕著な人物像はベルヘムの手になる。完全な署名、1646の年記あり。板、縦28と1/2インチ、横44インチ[4]。ハンブルクのJ. アムシンク (J. Amsinck) のコレクションから、1879年にハンブルク美術館に遺贈[5]。
この絵画は、知られているロイスダールの作品中で最初期のものの1つである。研究者のシーモア・スライヴは人物と動物をロイスダール自身の手に帰しているが、上記のごとくホフステーデ・デ・フロートはそれらをニコラース・ベルヘムの手になるものとした。絵画は、スライヴの2001年のロイスダール作品総目録では569番となっている[6]。
脚注
- ^ a b c “Landschaft mit einer Hütte”. ハンブルク美術館公式サイト (ドイツ語). 2025年6月11日閲覧。
- ^ Slive & Hoetink 1981, p. 28.
- ^ Slive & Hoetink 1981, p. 29.
- ^ The dimensions are 71.8 × 101 cm.Slive & Hoetink 1981, p. 28
- ^ Entry 806 for ''Landscape with a Cottage and Trees in Hofstede de Groot, 1911
- ^ Slive 2001, p. 412.
参考文献
- Slive, Seymour; Hoetink, Hendrik Richard (1981). Jacob van Ruisdael (Dutch ed.). Amsterdam: Meulenhoff/Landshoff. ISBN 978-90-290-8471-0
- Slive, Seymour (2001). Jacob van Ruisdael: a Complete Catalogue of his Paintings, Drawings, and Etchings. New Haven, Conn.: Yale University Press. ISBN 978-0-300-08972-1
外部リンク
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