田沼志んとは? わかりやすく解説

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田沼志ん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/01 10:20 UTC 版)

田沼 志ん(たぬま しん、1877年7月3日-1970年1月3日)は日本の教育者[1]。横浜高等女学校(現在の横浜学園高等学校)の校長をつとめた[1]

生涯

1877年(明治10年)7月2日[2][注 1]、実業家・県会議員の田沼太右衛門、なる子の一男六女の長女として[1][2]横浜尾上町に生まれた[1][3]。1892年(明治25年)横浜小学校高等科を卒業した[2][4]

卒業後は家庭教師に学び[1]、小原日出子、与謝野鉄幹晶子夫妻、山下陸奥に和歌を[2]、挿花を千松軒一秀に学んだ[4]

兄が早逝したため、角田勝之助と結婚して婿養子とした[1][4]

父の太右衛門は県立女学校の設立を神奈川県議会に訴えたが否決され[1]、私財を投じて1899年に横浜高等女学校を日ノ出町に創立した[2][注 2]。1906年に元町に移転した。志んも学校運営に参画し[3]関東大震災で校舎が全焼したときには父と共に再建資金を調達した[1]

1929年(昭和4年)に生徒監となり、父の死去を受けて同年11月に校長となった[4][5]。夫の勝之助は理事長となった[1]。「女らしくあれ」を教育方針として掲げ[1]、県内でも有数の女子学園に発展させた[3]横浜大空襲で校舎が焼失した際には移転先を探しまわった[1]。1947年に横浜市岡村町の土地を手に入れると、わらじ履きで土運びを率先した[1]

1951年(昭和26年)、校長職を長男の要人に譲り、名誉校長となった[5]

晩年、妹(太右衛門の六女)のふくとともに神奈川県内に初めてガールスカウトを導入し[2]、次世代を担う青少年の育成のために募金や協力者を求めて活動した[1]。ふくはガールスカウト横浜支部の生みの親として知られる[1]

1970年1月3日[2][注 3]。墓所は横浜市中区相沢墓地[1][2]

受賞歴

  • 1957年(昭和32年)度、第6回横浜文化賞受賞[6]
  • 1060年(昭和35年)5月3日 - 藍綬褒章受賞[7]
  • 1965年(昭和40年) - 第14回神奈川文化賞受賞[8]
  • 1966年(昭和41年)11月 - 勲四等宝冠章受賞[9]

関連文献

  • 『学苑 横浜学園創立60年記念号』横浜学園 1959
  • 『横浜学園創立八十年記念誌』横浜学園 1980
  • 『創立九十年記念誌』横浜学園 1990
  • 『ゆかりの白梅 横浜学園創立100年史』横浜学園 2000

脚注

注釈

  1. ^ 3日とする資料もある[1]
  2. ^ 日本人が設立した女学校では神奈川県内で最も古い[4]
  3. ^ 3月20日とする資料もある[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 江刺昭子、史の会 編『時代を拓いた女たち 第2集 かながわの111人』神奈川新聞社、2011年、140-141頁。ISBN 978-4-87645-475-4 
  2. ^ a b c d e f g h 神奈川県県民部県史編集室 編『神奈川県史 別編1』神奈川県、1983年、479-480頁。NDLJP:9522836/1/247 
  3. ^ a b c 竹内理三ほか 編『角川日本姓氏歴史人物大辞典』 14巻、角川書店、1993年、355頁。NDLJP:13247763/1/185 
  4. ^ a b c d e 横浜貿易新報社 編『神奈川県名鑑』横浜貿易新報社、1935年、9頁。NDLJP:1216606/1/22 
  5. ^ a b 神奈川県史研究会 編『郷土歴史人物事典神奈川』第一法規出版、1980年、121-122頁。NDLJP:12252905/1/65 
  6. ^ 過去の受賞者一覧”. 横浜市. 2025年9月29日閲覧。
  7. ^ 官報 本紙 第10008号 37頁” (1960年5月4日). 2025年9月29日閲覧。
  8. ^ 神奈川文化賞歴代受賞者一覧” (PDF). 神奈川県. 2025年9月29日閲覧。
  9. ^ 『日本叙勲者名鑑 昭和39年4月~昭和44年4月』日本叙勲者協会、1969年、272頁。NDLJP:11928164/1/140 

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