田守とは? わかりやすく解説

た‐もり【田守】

読み方:たもり

秋の田の番をすること。また、その人。《 秋》「稲塚戸塚につづく—かな/其角


田守

読み方:タモリ(tamori)

鳥獣に田を荒らされぬように番をすること、またその人

季節

分類 人事


田守

名字 読み方
田守たもり
名字辞典では、珍しい名字を中心に扱っているため、一般的な名字の読み方とは異なる場合がございます。

田守

読み方
田守たも
田守たもり

田守

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/02/28 09:26 UTC 版)

田守(たもり)は、室町幕府が公領内の田畑の管理役として設置した職である。主に農民の中から技術に秀でた者が抜擢された。

室町時代以前から守護や地頭に仕えて農業指導を行う者は存在したが、専業としての技術指導職は室町期になって初めて設置された。江戸時代の農業技術の飛躍的な向上は田守たちの活躍によるものである。

歴史

田守の起源は、鎌倉時代後期に北陸地方で行われていた、タンボモリという役務であるとされている。このタンボモリは、主にイモチ病の発生を調べるため、水田およびその近辺の状況を毎日観察する役であり、村内の各戸が毎年持ち回りで担当していた。その後この役は持ち回りから特定の家が代々担当するようになった。北陸地方に現存する田守姓は、タンボモリを専門職としていた家系の名残であると言われている。

室町時代に入ると、職業の分化・専門化が進み、タンボモリは田守という職業となった。それまで代々特定の家系が口伝で引き継いできたが、応仁の乱で荒廃した農村を再興するべく、幕府が専門職として全国に田守職を設置した。当初は公領内のみに田守が配置されたが、その後公領周辺の農村への技術指導も行うようになり、室町時代後期には在地支配層である国人が独自に田守の任命を行っていた。

戦国時代の後期には、農村の多くで労働力が戦に駆り出されたため、農業生産力の低下が大きな問題となっていた。このため、各地の戦国大名は優秀な田守を領国に呼び込んで厚遇する反面、領内の田守が他の土地へ移動することを厳しく制限した。このことは田守が廃業する原因となり、一部の有力田守を除いて田守職に就くものは激減した。

江戸時代に入り社会が安定化するとともに、田守が各地で復活するようになる。特に米所といわれた北陸地方では、冷害から稲を守るため各藩は大量の田守を雇い、稲作の安定化に力を入れた。この時期には『農家益』や『農業全書』などの農業技術書が多く出版されたが、田守たちが伝承してきた技術が学問として体系化された時期でもあった。なお、田守職の一部は、植物に対する豊富な知識を生かして本草学へと流れていった。

その後、明治維新に入ってからは政府の進めた工業化政策のため、多くの田守が廃業した。

関連項目


「田守」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「田守」の関連用語

田守のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



田守のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
名字見聞録名字見聞録
copyright©1996-2025 SPECTRE all rights reserved.
EDRDGEDRDG
This page uses the JMnedict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの田守 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS