狩りの女神ディアナとは? わかりやすく解説

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狩りの女神ディアナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 15:29 UTC 版)

『狩りの女神ディアナ』
フランス語: Diane chasseresse
英語: Diana the Huntress
作者 シャルル・カルモワ (フォンテーヌブロー派の画家)
製作年 1550年ごろ
種類 キャンバス上に油彩
寸法 191 cm × 132 cm (75 in × 52 in)
所蔵 ルーヴル美術館パリ

狩りの女神ディアナ』(かりのめがみディアナ、: Diane Chasseresse: Diana the Huntress)は、フォンテーヌブロー派の画家シャルル・カルモワ (Charles Carmoy) が1550年ごろ、キャンバス上に油彩で描いた絵画である[1]。フランス王アンリ2世の愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエ女神ディアナの姿で神話的に表現している[2][3][4]。以前は、フォンテーヌブロー派の匿名の画家[1][2]、またはイタリアの画家ルカ・ペンニ英語版に帰属されていた[3][5]。作品は、1840年にパリルーヴル美術館に取得された[1][6]

作品

その線的な優雅さで、本作は北方マニエリスム様式のフランス版の好例となっている。このマニエリスム様式は、1530年代にフランスのフォンテーヌブロー宮殿 (1528年に造営開始) の装飾のために招かれたロッソ・フィオレンティーノフランチェスコ・プリマティッチオなどのイタリアの芸術家たちによってフランスに導入された[2]。16世紀に彼らの後を継いだのが第2次フォンテーヌブロー派と呼ばれるフランスの画家たちであるが、その中で名前が今日まで伝わっている画家はほとんどいない[2]

本作はフォンテーヌブロー派の画家たちがディアーヌ・ド・ポワチエを描いた数多くの作品のうちの1つであるが、彼女はしばしば古代ローマの狩りの女神ディアナの擬人化された姿で描かれた[4]。ディアナの男性的な肉体美は、フォンテーヌブロー派の一種倒錯的な趣味を刺激する格好な題材であったらしい[3]

この絵画のもとになっているのは、プリマティッチオが鋳造したディアナのブロンズ像である[2]。ほとんど何も身に纏わず、犬を従えている裸身の彼女は弓と矢筒を持っている。弓矢は本来クピドの持ち物で、女神が鑑賞者の愛を呼び起こすために使うものであるとも解釈できる[2]。彼女の髪の毛にはディアナのアトリビュート (人物を特定化する事物) である三日月の形をした飾りがついている[7]

脚注

  1. ^ a b c Diane chasseresse”. ルーヴル美術館公式サイト (フランス語). 2023年9月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、2011年、486頁。
  3. ^ a b c 『NHKルーブル美術館VI ルネサンスの波動』、1986年、122頁。
  4. ^ a b Gowing 1987, p. 246.
  5. ^ Béguin 1960, p. 71.
  6. ^ Gowing 1987, p. 253.
  7. ^ Green 2007, p. 118.

参考文献

外部リンク




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