熱処理によるセメンタイトの析出の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/06 07:24 UTC 版)
「セメンタイト」の記事における「熱処理によるセメンタイトの析出の違い」の解説
亜共析鋼においては、炭素を多く固溶したオーステナイトの組織を冷却すると、まずオーステナイトの結晶粒界にあまり炭素を固溶しないフェライトが析出する。このフェライトは初析フェライトと呼ばれる。そして727℃以下になると、残存していたオーステナイトは、共析変態を起こしてフェライトとセメンタイトの2相混合物である、層状の構造を持つパーライト組織が形成される。よって、亜共析鋼は初析フェライト+パーライトの組織となる。 Fe-C系2元合金においてC=0.77[質量%]の時(共析鋼の時)、オーステナイトの組織から727℃以下に徐冷すると、フェライトとセメンタイトの2相混合物である、層状の構造を持つパーライトができる。 過共析鋼においては、オーステナイトの組織から冷却すると、オーステナイトの結晶粒界に初析セメンタイトが析出する。そして727℃以下になると、残存していたオーステナイトは、パーライトに変態する。よって、過共析鋼は初析セメンタイト+パーライトの組織となる。
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