淺野五郎とは? わかりやすく解説

浅野五郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 15:58 UTC 版)

淺野 五郎(あさの ごろう、1909年6月29日 - 1966年3月19日)は、日本の地球科学者。専門は応用地質学鉱床学福岡県福岡市生まれ。

経歴

1927年福岡県中学修猷館[1]、1930年旧制福岡高等学校理科乙類[2]を経て、1933年3月に東京帝国大学理学部地質学科を卒業[3]。大学院に進むが、同年9月より南満州鉄道嘱託となる。1938年4月より満州国大陸科学院に所属。1946年5月古河鉱業の職員となり、配下の鉱山の調査・探鉱などを行う。1951年4月、東京大学より理学博士の学位を取得。論文表題は「満洲産縞状鉄鉱の造進変成」[4]。1956年3月古河鉱業を退社、4月より国際基督教大学教授となる。1960年4月、木下亀城教授の後任として九州大学工学部教授(採鉱学科応用地質学講座)に就任。研究と後進の指導、鉱業界の発展などに尽力したが、在職中に56歳で死去。この間、横浜国立大学熊本大学広島大学・東京大学などの非常勤講師、また日本学術会議地質学研究連絡委員会委員・地下資源開発委員会委員・鉱業審議会専門委員などを歴任。

研究業績

大学卒業後に勤務した満州国では、当時話題となっていた油母礬土頁岩の調査に従事したほか、中国大陸北東部に分布する諸鉱床、特に、後に博士論文のテーマとなった縞状鉄鉱層について、詳細な調査・研究を行った。古河鉱業時代は、地質鉱床課長として赴任した足尾鉱山の銅鉱床について、現場での調査・観察を基に、その生成過程と成因の解明に寄与したことで知られる[5]。大学に勤務してからは石炭層の地質に研究テーマが移り、筑豊炭田など、九州北部の炭田について、詳細な研究を公表し続けた[6]

脚注

  1. ^ 『修猷館同窓会名簿 修猷館235年記念』(修猷館同窓会、2020年)同窓会員20頁
  2. ^ 『福岡高等学校一覧 第19年度(自昭和15年4月至昭和16年3月)』(福岡高等学校編、1941年)168頁
  3. ^ 『東京帝国大学一覧(昭和8年度)』(東京帝国大学、1933年)卒業生姓名529頁
  4. ^ 博士論文書誌データベース
  5. ^ 淺野五郎「足尾鉱山における晶洞の生成と鉱化作用との関係についての一考察」、鉱山地質、第2巻、1952年、など。
  6. ^ 1)淺野五郎「筑豊炭田の迸入火成岩と石炭の熱変成(その1)炭層中への岩漿迸入の機巧」、鉱山地質、第8巻、1958年。2)同「(その2)いわゆる“ドン”の岩石学的特徴と二次的変質」、鉱山地質、第9巻、1959年。3)同「(その3)石炭の熱変成と変成温度」、鉱山地質、第9巻、1959年。4)淺野五郎・由井俊三「筑豊炭田大峰炭礦大焼5尺層の黄鉄鉱石炭球と石炭生成時の植物砕屑物についての一考察」、鉱山地質、第12巻、1962年。5)淺野五郎「松岩の産状と顕微鏡的性質」、九州鉱山学会誌、第32巻、1964年。6)淺野五郎・田中信也・田中博美・久永紀夫「長崎県高島炭鉱の熱変成炭の顕微鏡的並びにX線的研究」、鉱山地質、第15巻、1965年。

主な編著書

  • 淺野五郎(編)「鉱山地質ハンドブック」、朝倉書店、1962年。ASIN: B000JAKECI

参考文献

  • 神山貞二「淺野五郎君を悼む」、鉱山地質、第16巻、236頁、1966年。

外部リンク


浅野五郎

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死神の座」の記事における「浅野五郎」の解説

青年政治連盟書記局所属大屋友人

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