海軍戦争検討会議記録とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 海軍戦争検討会議記録の意味・解説 

海軍戦争検討会議記録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 08:33 UTC 版)

海軍戦争検討会議記録(かいぐんせんそうけんとうかいぎきろく)とは、1945年昭和20年)12月22日から翌1946年(昭和21年)1月23日にかけて、第二復員省(旧海軍省)に太平洋戦争開戦前後の日本海軍の首脳メンバーが一堂に会し、4回にわたって「特別座談会」という名の会議をひらき、開戦の経緯を中心に戦争の総括をおこなった際の記録。のちに新名丈夫が編纂して出版された。

概要

会議の目的は、日本海軍がなぜ太平洋戦争に突入したかを検討することであった。出席者は、毎回出入りはあるものの、

など全部で29名であった。

日独伊三国軍事同盟成立に際して「(同盟が)出来た時の気持は、他に方法がないということだった」「陸軍はクーデターを起こす可能性あり。ひいては国内動乱の勃発を憂慮せられたり」と述べる豊田、及川に対し、英米派の井上は 「先輩を前にして甚だ失礼ながら、敢えて一言す」として「海軍が陸軍に追随せし時の政策は、ことごとく失敗なり。二・二六事件を起こす陸軍と仲よくするは、強盗と手を握るが如し。同盟締結にしても、もう少ししっかりしてもらいたかった。陸軍が脱線する限り、国を救うものは海軍より他にない。内閣なんか何回倒してもよいではないか」と批判している。

また、井上が日独伊三国軍事同盟成立時の海軍大臣であった及川に「何故、海軍は戦えません、とはっきり言わなかったのか」と質したのに対し、及川は日本海海戦の英雄東郷平八郎元帥の怒鳴り込みにおびえたと答えている。

記録は英訳されて連合国軍総司令部(GHQ)に届けられたといわれている。開戦時の真相を知り、軍部の戦争責任を考えるための歴史資料として重要であるが、問題点としては、出版後、海軍善玉・陸軍悪玉という風潮(陸軍悪玉論)をつくりあげるのに一役買ってしまったことが掲げられる。

「記録」の出版

この記録は、元来部外に出すつもりはなかったといわれている。後年に毎日新聞社の海軍記者であった新名丈夫が発掘編纂し出版した。

  • 『海軍戦争検討会議記録』(毎日新聞社、1976年12月)
  • 新版『海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯』(角川新書、2022年)

海軍反省会

海軍反省会は、1980年(昭和55年)より11年間、旧日本海軍軍令部将校が中心となって秘密に集まっていた会合である。この会の記録は2009年8月に「日本海軍 400時間の証言」としてNHKで放送された。

関連項目


海軍戦争検討会議記録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 07:56 UTC 版)

新名丈夫」の記事における「海軍戦争検討会議記録」の解説

新名編纂した『海軍戦争検討会議記録』が1976年昭和51年12月毎日新聞社より出版されている。

※この「海軍戦争検討会議記録」の解説は、「新名丈夫」の解説の一部です。
「海軍戦争検討会議記録」を含む「新名丈夫」の記事については、「新名丈夫」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「海軍戦争検討会議記録」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「海軍戦争検討会議記録」の関連用語

海軍戦争検討会議記録のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



海軍戦争検討会議記録のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの海軍戦争検討会議記録 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの新名丈夫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS