注意の一点集中
いざという時に、ごく一部の情報に注意が集中し、広範囲の情報へ注意を向けることができなくなる状態のことを「注意の一点集中」という。見る範囲が狭くなるという意味で「視野狭窄」とも言われる。災害や緊急事態では、時間が切迫していたり、情報が限られる。即ち、限られた情報や時間の下で判断し行動を選ばなければならない状態のときにみられる人間の行動特性の一つである。 例えば、沼津市で起こった「らくらく酒場」火災では、中にいた被害者の多くが施錠されていなかった非常口の扉を開くことができずに逃げ遅れてしまった。通常の状態であれば、ドアを押して開かなければ引いてみることができるが、極限状態にある人間にとって、「押してダメなら引いてみる」というごく簡単な発想の転換さえ難しくなってしまったのである。
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