沃懸地

デジタル大辞泉

いかけ‐じ〔‐ヂ〕【^▽沃懸地】

読み方：いかけじ

蒔絵(まきえ)の地蒔きの一。金または銀の粉を密に蒔いた上から漆をかけ、研ぎ出したもの。金粉を用いたものは金地・金溜地(きんだみじ)ともよばれる。

難読語辞典

沃懸地

読み方：イカケジ（ｉｋａｋｅｊｉ）

蒔絵技法の一

歴史民俗用語辞典

沃懸地

読み方：イカケジ（ｉｋａｋｅｚｉ）

工芸技術の一。漆に金泥をまじえて塗る技法によったもの。

別名 すり梨地

刀剣用語解説集

沃懸地（じいかけ）

太刀拵などの装飾として用いられた金蒔絵の一種で、平安から鎌倉期の飾剣（かざだち）に例を多く見るが、その手法は近代まで続いている。金粉や金泥を、装具の表面に緻密に時いたり塗り固め、その後研ぎ出したものを指し、沃懸地に螺鈿を加えた沃懸地螺鈿、また金属の薄片を併せ用いた沃懸地平文など、華美あふれる技法で装剣具を引き立たせた作もある。

伝統的工芸品用語集

沃懸地

読み方：いかけじ

地蒔の一種で、漆面に金銀の鑢（やすり）粉を密に蒔きつけ、その上にもう一度漆を塗って磨き出したもの。平安時代におこった技法で、時代が下るにつれて鑢粉が細かくなります。また近世になると金粉の沃懸地は金地、金溜とも呼ばれました。