毎度!え〜カミさんを一席
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| 毎度!え〜 カミさんを一席 | |
|---|---|
| ジャンル | 落語漫画 |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 林家彦いち |
| 作画 | 星野めみ |
| 出版社 | 宙出版 |
| レーベル | Happy Wedding Comics |
| 発売日 | 1993年4月3日 |
| 巻数 | 全1巻 |
| 話数 | 全4話 |
| その他 | 全作描き下ろし作品 |
| テンプレート - ノート | |
『毎度!え〜カミさんを一席』(まいど えーカミさんをいっせき)は、星野めみと林家彦いちによる日本の漫画作品である。
この項目では、全シリーズを『一席シリーズ』とし、講談社発売の『え〜カミさんを一席』を『講談社版』、宙出版発売の同タイトルを『宙板』、『帰ってきたえ〜カミさんを一席』を『帰ってきた』、『如春亭にようこそ』を『如春亭』、標題作品を『毎度!』と記述する。
概要
講談社『BE・LOVE』関連雑誌に読み切り連載していた『一席シリーズ』の新しいタイトルである。今作は講談社から宙出版へ移動後初の単行本でもあり、未収録作品集でもある[1] 。出版社を移動した経緯は特に記述されていない。
この単行本に掲載されている「幸せな結婚」の広告には、「この作品の続編が読める![2]」と紹介されているが、題名が『毎度!』ではなく『え〜カミさんを一席』として紹介されている。更に星野作品の『夢ホテル』シリーズもあおば出版から宙出版へ移動。『一席シリーズ』同様に「幸せな結婚」で交互に続編[3]が再開されている。
「夢ホテルシリーズ」と同様、連載はしていたが、不定期な上に10年目をもって「幸せな結婚」が休刊になっている。
ストーリー
- たまちゃんめでたいご懐妊(前編)
- 題名通り、たま子が梅若の子供を身篭るが、芸術大賞奨励賞を取った梅若が、打ち上げで酒に酔った挙句、師匠・夢路に「鰻の幇間」を駄目出し込みでおちゃらげに指導をした為に、後日激怒される。その後たま子からの妊娠報告を受けた夢路が、梅若を懲らしめる為に嘘の破門の噂からの悪戯を仕掛け、同時にたま子には梅若への妊娠報告を止める。
- この作品では「鰍沢」をストーリーに組み入れている。
- 話中に講談社版での「たま子が勘違いによる妊娠のトラブル」と「起き上がりこぼしを貰った」エピソードも入れているが「このエピソードは単行本○巻を参照」等の記述は無い。
- たまちゃんめでたいご懐妊(後編)
- 梅若への妊娠報告を止められた為に、ストレスによる自律神経失調症で倒れてしまうたま子。夢路の妻・むつ子が悪戯を仕掛けた男性全員を並べて激怒する。更にこれが切っ掛けで夢路とむつ子の仲がギクシャクと…。 臨月近くなり、夢路が梅若に、むつ子がたま子に、昔、師匠夫妻にも子供が出来たのだ、という話をするが、それが切っ掛けで夢路とむつ子の仲が修復出来なくなってしまう。たま子と梅若が「2人の仲が悪いから、お腹の赤ちゃんが叩いている!」と言う芝居を打つが…。
- この作品では再度の「鰻の幇間」と「ぞろぞろ」をストーリーに組み入れている。
- 梅ちゃんの子守唄
- たま子と梅若の娘・うた子誕生語、アパートの大家と梅若に衝突があり、これが切っ掛けで引越しをしたり、たま子と梅若による育児トラブルでドタバタに・・・。
- この作品では「神天神」と「真田小僧」を組み入れている。
- 話中に講談社版での「大家がかなり寄席に行った」と「梅若の真打ち昇進前に大家がカンパをした」エピソードも入れているが「このエピソードは単行本○巻を参照」等の記述は無い。
- 番外編 桃太郎さんのメガネ
- 『如春亭』同様、元々の『一席シリーズ』の登場キャラクターではない、神代るり子、三桜亭三若がメインのストーリーである。歌手リョウ・滝井のファンであるるり子が、ライブハウスでのリョウと梅若との「SONG・落語コラボライブ」が切っ掛けで寄席に行くと、コラボライブで係の人と勘違いをしていた二つ目・三桜亭三若と再会する。三若、るり子、リョウとの一方通行の片思いが起きるが、るり子が働いている保育園からの依頼で開いた子供落語教室をきっかけに、るり子と三若の心が少しずつ変化していくストーリー。
- この作品では「金明竹」と「桃太郎」をストーリーに組み入れている。
- おまけのページ 星野の観劇日記2009年
- 2009年の初めに「新春プラザ寄席」から始まり、1月7日に「昇太、喬太郎、彦いちの会」、1月27日宝塚・月組の「夢の浮橋」「Apasionado!!」。2月は鈴舟公演「オンリーユー」、西川さん客演のむーとぴあVol.1「この世界にはない音楽」。追記で3月に安蘭けいさんのサヨナラ公演。4月と5月はキャラメルボックスの「容疑者Xの献身」。4月5日は清水宏の炎の演劇部。6月6日宝塚・宙組、大和悠河さんのサヨナラ公演。8月はキャラメルの「風を継ぐもの」「扇遊と喜多人の会」「斉藤幸子」。9月は「Wお祝!YEBISU亭祭り」。11月、12月はキャラメルの「コンシェル・イヤーズ・ストーリー」な上に、西川夫妻の出演なので神戸公演に行く予定。2010年1月6日、にぎわい座。3月は喜多八さん。3月と4月はキャラメルの西川さんと岡田さんの舞台を見に行く予定である。
登場人物
- 日向たま子(ひなたたまこ)
- 梅若の妻であり一番のファンでもある。10月18日生まれ。過去に妊娠検査薬をミスした後に勘違い妊娠騒動を起こし、夢路から大きな起き上がりこぼしをプレゼントされたほどの騒ぎを巻き起こしたが、この度めでたく梅若との子供を身籠る。今回は確認のために2回も産婦人科を受診するほど慎重になっている。妊娠初期、夢路から梅若を懲らしめる為にと妊娠報告を禁止され、ストレスによる自律神経失調症で倒れたり、この倒れたことが切っ掛けとなって夢路とむつ子の仲が悪くなり、修復させる為に梅若と嘘の陣痛の芝居を打ったところ、その直後に本当の陣痛が起き、早産というトラブルを起こしている。子育ては地味であるが堅実にやっている。
- 番外編ではるり子が来ないかもしれないと舞台に上がる事に躊躇していた三若を平手打ちを与え、半泣きで舞台に立つことを説得している。
- 三桜亭梅若(さんおうていうめわか)
- 通称「梅ちゃん」。真打ちの若手落語家でありたま子の夫でもある。過去に妊娠勘違い騒動などもありながら未だに子供がいないことを気に病んでいる。子供が授かっても酒に酔った挙句に、夢路に「鰻の太鼓」の駄目出しをした事により、夢路から「10月18日に破門される」と言う噂からの悪戯込みで、たま子の妊娠を発表されるが、そのたま子が倒れてしまったり、夢路・むつ子夫妻に「子供が生まれる!」と言う芝居を打つが本当の陣痛が起こった上に寄席の舞台も重なった…と平穏無事には終わっていない。安産になるようにおみくじに大凶が多い神社で大吉が出るまで粘ったり、娘・うた子が生まれた後は兄弟子・三桜亭夢若から教えてもらった育児方法を過剰に試しまくる反面、たま子よりもうた子と一緒に居ないために、うた子を預かるアパートの大家よりも懐かれていない…と残念な父親でもある。
- うた子
- 正式名「詩子」。たま子と梅若の娘。難産だったが自然分娩で誕生。名前の由来は父・梅若の「う」と母・たま子「た」から。男の子だったら「うた雄」にする予定だったので、夢路、梅若の父・明、アパートの大家から呆れられる[4] 。
- 三桜亭夢路(さんおうていゆめじ)
- 梅若の師匠で人間国宝。弟子のことは妻も含めて大変に可愛がっており、酔った梅若からの噺の駄目出しには激怒したが、たま子が子供を授かったと聞いた時は鰻の特上を7人分頼むほど喜んだ。たま子の誕生日である10月18日まで梅若に子供を授かった事を内緒にし、「梅若が破門される」という噂を流して梅若を追い詰める悪戯を仕掛けるが、逆にたま子が倒れてしまう結果に。
- 過去、むつ子に子供が授かったが、祝いの宴会に連れ回した後に大きなトラブルからの喧嘩を起こしてしまった。昔の男だったので身重の妻を労わったり、トラブル後にむつ子に謝ることはしなかったが、むつ子の居ない所では十平師匠の所で大泣きをするほどの不器用。
- たま子の梅若の嘘の陣痛の芝居で、悪戯に激怒していたむつ子との仲は修復したが、たま子が本当の陣痛を起こした後に、寄席で大トリで出演するのにもかかわらず「たま子についてやりたい」と言い、むつ子から「落語やりに行けーっ!」と激怒された。たま子が無事に出産をした後、梅若が激怒するほど、おちゃらげた「鰻の太鼓」をやるほど、調子のいい人物である。
- むつ子
- 夢路の妻。夢路一門のおかみでもある。夢路が梅若にたま子に妊娠に関連した悪戯を仕掛けた後、夢路との仲にひびが入る。その原因はむつ子が子供を授かった時、夢路の付き合いで宴会に連れ出され続けた後に流産、後の妊娠も望めなくなったという過去があったから。普段は物静かだが、いざと言う時は、夢路や梅若を怒鳴りつけて叱るほどのしっかり者である。同じ落語家の妻として、たま子の良き相談相手でもある。
- 大家さん
- たま子と梅若の借りているアパートの大家。梅若とは喧嘩友人に近いが、実際にはこれまでの梅若の寄席のチケットは自腹で購入し、過去には梅若が真打ちになる時にカンパしたほど。今作では、ひょんなことから梅若からチケットを初めて貰っている。たま子とは仲が良く、うた子の子守を任せられるほど頼られている人物。口は悪いが良い人物である。梅若たちのアパート以外にも幾つか物件を持っていて、物件の名には自分の苗字を使用している。それ込みで今回の漫画で大家の本名が「夏目権三(なつめごんぞう)」である事が公表された。
- 依田こま子(よだこまこ)
- たま子の姪でたま子の姉であるはま子と前の夫の娘。梅若の兄弟子でもある夢若の義理の娘である。今回はたま子と梅若の子供が出来たパーティーと番外編でるり子が勤務している保育園に通っている為に登場する。得意なものは大神楽。
番外編のみ登場する人物
- 神代るり子(かみしろるりこ)
- 番外編に登場する24歳の女性で保育園の先生。ミュージシャン・リョウ・滝井のファン。1人で何気なく入ったライブハウスでのリョウの歌声に魅かれ、以降はメジャーなアーティストよりも、手の届くライブハウスのアーティストであるリョウを追っかけている。その為リョウへの「いつか出待ちからお話が出来て、恋が芽生える」妄想も凄い。「リョウ&梅若のSONG・落語コラボライブ」とリョウが落語が好きであることが切っ掛けで寄席に行った際、コラボライブで係の人だと勘違いした三若と出会い、ここから心境に変化が起きる。
- 三桜亭三若(さんおうていさんわか)
- 梅若の弟弟子。二ツ目。リョウと梅若のコラボライブで出待ちで雨に濡れていたるり子を駅まで送り、傘を渡した。その時、るり子に一目惚れしている。国立の大学院を出ている為に噺は300も教えて貰ってマスターしている反面、語る「金明竹」は地獄級に面白くない。落語家になった切っ掛けはリョウに引き摺られて落研に入ったことと、国立大の数学科出身で、何でも理詰めで解決出来ることが仇となり大失恋をした経験から、出鱈目さに憧れた為。普段は生真面目だが、眼鏡を外すとかなり口が悪くなるなど性格が変わるが、眼鏡の有無関係なく、子供に対しては面倒見が良い。リョウに熱を上げているるり子には「リョウは良い奴だが付き合うな!」と反対している。
- リョウ・滝沢(りょうたきざわ)
- ライブハウスのアーティスト。三若とは大学の友人で、途中で中退している。梅若とのコラボライブは三若がリョウに梅若を紹介したのが切っ掛けで実現している。出待ちのファンの女の子に対して頬にキスしたり、るり子のいる保育園に来るほどの軽い性格であるが、実は三若がるり子に「リョウと付き合うな!」と反対するほどの秘密を持っている。
関連作品
- 春*奈ころりん - 星野・彦わかコンビのもう1つの落語漫画作品。OLから女性落語家になった女性が主人公。『一席シリーズ』よりも初心者向けの噺や、寄席の裏でどんなことをしているのかを重視している。『一席シリーズ』の登場人物は全く登場しない。
- キャサリン巫女です! - 星野・彦わかコンビの漫画作品。落語漫画ではない。ある事情で日本の神社に憧れを持つアメリカと日本のクオーターの女性と神社の神主と神社に関連したラブストーリー。この作品も『一席シリーズ』『夢ホテルシリーズ』同様に出版社があおば出版から海王社へ移動している。
脚注
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