次元解析とスケーリング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:29 UTC 版)
「スカラー場の理論」の記事における「次元解析とスケーリング」の解説
通常、物理量は次元解析によって長さ、時間、質量などの次元を持つ量として表される。しかし、場の理論においては、自然単位系 ℏ = c = 1 {\displaystyle \hbar =c=1} を採用し、光速 c と換算プランク定数 ℏ {\displaystyle \hbar } の次元を1とする。すると、時間の次元を持つ量 t は、相対性理論の基本的な定数である光速 c を用いることで l=ct と変換され、長さの次元と等しくなる。 同様に、長さの次元を持つ量 l は、量子力学の基本的な定数である換算プランク定数 ℏ {\displaystyle \hbar } を用いることで、 l = ℏ / m c {\displaystyle l=\hbar /mc} と変換され、質量の逆数の次元と等しくなる。このように、時間の次元を長さとして、または時間と長さの次元を質量の逆数として表すことができる。これは、3つの物理量の次元が、ただ1つの独立した次元のみで定義できるということである。このようにして物理量の次元を質量のみにスケーリングした次元を質量次元と呼ぶ。 上述の議論では量子論の定数である換算プランク定数を用いているが、これを古典的な定数と置き換えれば、古典論においても同様の議論が成立する。
※この「次元解析とスケーリング」の解説は、「スカラー場の理論」の解説の一部です。
「次元解析とスケーリング」を含む「スカラー場の理論」の記事については、「スカラー場の理論」の概要を参照ください。
- 次元解析とスケーリングのページへのリンク