桜人と並びの巻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/24 02:57 UTC 版)
風巻景次郎は、武田宗俊の玉鬘系後記一括挿入説を修正する形で同説における「玉鬘系の巻」と多くの古注釈等に現れる「並びの巻」のずれを解消するために、この桜人を現在の玉鬘十帖=玉鬘物語の原型だったのではないか。玉鬘は、玉鬘十帖の残り九帖とともにもともとは桜人の並びの巻であり、桜人が源氏物語から取り去られたために玉鬘十帖の残り九帖が玉鬘の並びの巻とされるようになったのではないかとしている。 しかしながら源氏釈において僅かに伝えられている本文からすると、夕顔の娘=玉鬘に対する求愛の歌とみられるものがあるなど玉鬘に係わる物語が記されていたと見られることからこの「桜人」は玉鬘系に属すると考えざるを得ないため、桜人を武田説の言うところの「原源氏物語」=「紫上系」の中に存在したと考えることは出来ないとする批判が存在する。 なお、「桜人」の内容については、断片的な資料しか存在しないため、断片的なことはある程度判明するとしても「桜人」の全体像を復元することは不可能であるとされている
※この「桜人と並びの巻」の解説は、「桜人」の解説の一部です。
「桜人と並びの巻」を含む「桜人」の記事については、「桜人」の概要を参照ください。
- 桜人と並びの巻のページへのリンク