核爆発に伴う放射性降下物の分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 04:28 UTC 版)
「木村健二郎」の記事における「核爆発に伴う放射性降下物の分析」の解説
広島・長崎の降下物の分析は1945年に木村健二郎研究室で行われた。広島の試料からは Sr89, Ba140, La140, Zr95, Nb95, Y91 が検出された。長崎の試料からは Sr89, Ba140, Ce144, Pd144, Y91 が検出された。長崎の資料は、その後1951年に再分析され Cs137, Ba137m, Sr90, Y90, Ce144, Pd144, Pu239 の存在が確かめられた。 1954年、”ビキニの灰”の分析には木村、南英一のほか、静岡大学、金沢大学、大阪市立大学などの、日本全国の放射化学者が参加した。この分析結果で特筆すべきことは降灰中からU237が検出され、その放射能が大きな割合 (20±10%) を占めたことである。U237は、U238に高速中性子があたったとき、(n,2n) 反応で生成することが以前の研究で判明していた。U238は通常の原子爆弾には使用しないことから、U237の存在は、この核爆弾が新しいタイプの爆弾(アメリカが秘密にしていた3F爆弾) であると判断する根拠となった。
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