東国正韻式漢字音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:55 UTC 版)
東国正韻に示された漢字音は古来朝鮮で用いられている実際の朝鮮漢字音(伝来漢字音・現実漢字音)ではなく、人工的に作り出されたものである。これを一般に東国正韻式漢字音と呼ぶ。東国正韻の編纂者たちは朝鮮の伝来漢字音を「訛り」と捉えてこれを正すべきものと考え、本来のあるべき理想の標準音を東国正韻式漢字音として提示した。『東国正韻』序文において指摘されている伝来漢字音の「訛り」とは、以下のものである。 渓母([kʰ])の大半が見母([k])に入っている。 渓母([kʰ])の一部が暁母([x])に入っている。 濁声がない。 四声において上声と去声の別がない。 入声のうち端母([t])で終わるべきものが来母([l])で終わっている。 舌頭音と舌上音、重唇音と軽唇音、歯頭音と正歯音が分かれていない。
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