札幌准看護婦殺人事件とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 札幌准看護婦殺人事件の意味・解説 

札幌准看護婦殺人事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 10:14 UTC 版)

札幌准看護婦殺人事件
場所 日本北海道札幌市
日付 1991年平成3年)12月21日
攻撃側人数 1人
死亡者 1人
被害者 准看護婦
犯人 精神病院の50代男性患者
刑事訴訟 懲役10年
テンプレートを表示

札幌准看護婦殺人事件(さっぽろじゅんかんごふさつじんじけん)とは、1991年平成3年)12月21日北海道札幌市で起きた殺人事件である。

概要

1991年12月21日深夜に北海道札幌市の精神病院で、50代男性患者が病院を抜け出そうとして、シーツで破った帯状の布で准看護婦の両手足を縛り、口と鼻を布などでふさぎ、首を絞めて窒息死させる事件が発生した[1][2]。検察官は被疑者が犯行当時心神喪失状態だったとして不起訴処分とした[1]

不起訴処分に対し、被害者の遺族が審査申し立てを行った。札幌検察審査会は法律上は被害者の遺族に申立権はないとして申立は却下する一方で、職権により審査を開始した[1]。被疑者の男性は1993年1月21日に、脱院時に詰所の電話線を切断したり、自分の布団にヤカン等を入れて寝ているように見せかけたり、脱院後に立ち寄ったコンビニで購入したビール等の代金を友人から借りて支払ったりしていた。このことから、心神喪失状態であったと断定するのは大いに疑問があるとして、1993年1月21日に不起訴不当の議決をした[3]

この議決を受け、検察官は再捜査の結果、被疑者の男性を起訴した。弁護士側は責任能力はなく殺意はなかったと主張したが、1995年3月22日に札幌地裁は「帯状の布を被害者の鼻に巻き付け、絞殺時にも手加減を加えていないこと等から殺意は推認できる」「著しい精神障害はなく、善悪を判断することができた」として被告人の殺意と責任能力を認めた上で、懲役10年の判決を言い渡した[4][5]。被告人は控訴して殺意の有無が争点になるも、1995年10月26日に札幌高裁は殺意を認定して控訴を棄却して刑が確定した[2][4]

懲役10年は検察審査会が議決した後で検察官が起訴した事件の中で最も刑が重いものである[4]

脚注

  1. ^ a b c 最高裁判所事務総局 1998, p. 136.
  2. ^ a b “被告の控訴棄却 准看護婦殺人で札幌高裁”. 北海道新聞. (1995年10月26日) 
  3. ^ 最高裁判所事務総局 1998, p. 136-137.
  4. ^ a b c 最高裁判所事務総局 1998, p. 137.
  5. ^ “責任能力認め有罪 精神病棟の准看護婦殺人 札幌地裁 被告に懲役10年”. 北海道新聞. (1995年3月23日) 

参考文献

  • 最高裁判所事務総局『検察審査会五○年史』法曹会、1998年。 

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  札幌准看護婦殺人事件のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「札幌准看護婦殺人事件」の関連用語

札幌准看護婦殺人事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



札幌准看護婦殺人事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの札幌准看護婦殺人事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS