有機亜鉛の自己触媒的付加反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 15:34 UTC 版)
「不斉増幅」の記事における「有機亜鉛の自己触媒的付加反応」の解説
有機亜鉛化合物がアルデヒドに付加する反応は、適当な触媒により活性化され、多くの不斉反応も知られている。硤合憲三らはその中で、ピリミジン-5-カルボアルデヒドに対するジイソプロピル亜鉛の付加反応が、生成物の2級アルコール自身に触媒される、すなわち自己触媒反応であることと、さらにその過程で非常に大きな不斉増幅が起こることを発見した。 この反応では ee の低い生成物を反応系にあらかじめ加えておくだけで、自己触媒型不斉増幅反応の結果としてはるかに高い ee の生成物が得られる。この反応はさらに展開し、水晶やヘリセン、アルカンなど、通常は不斉源として用いられないような物質を不斉源としてキラルなアルコールを得る系まで報告されている。
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