星巌と妻・紅蘭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 08:01 UTC 版)
星巌とその妻・紅蘭は又従兄妹にあたる。江戸から故郷に帰った星巌は、村の子供たちを集めて、「梨花村草舎」と称する塾の様なものを開いた。そこに通っていた中に紅蘭もいた(当時14歳)。紅蘭は星巌の才学、人となりを慕って、進んで妻になることを父に請うたと言われている。 星巌32歳、紅蘭17歳の年に結婚をする。ところが結婚後すぐに星巌は、「留守中に裁縫をすること、三体詩を暗誦すること」を命じて旅に出てしまう。それから3年後、帰ってきた星巌を迎えた紅蘭は、命ぜられた三体詩の暗誦をやってのけたばかりでなく、一首の詩を詠んでいる。 階前栽芍薬。堂後蒔當歸。 一花還一草。情緒兩依依。 訳 きざはしの前には芍薬を植え、座敷のうしろには當歸をまきました(どちらも薬用植物だが、〈當歸〉は〈まさにかえるべし〉と訓読できるので、〈きっと帰ってくるだろう〉の意味がこめられている)。 花には私の姿をうつし、草には私の心を込めて。ああ、私の想いは、この花とこの草に離れたことはありませぬ。 星巌の放浪癖はその後も変わらなかったものの、これ以降は当時としては珍しく、妻を同伴して旅をするようになったという。
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