捩れと局所化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 06:22 UTC 版)
R を可換な整域で、M を R-加群と仮定する。また、Q を環 R の分数体とする。すると、M から係数拡大により与えられる Q-加群 M Q = M ⊗ R Q {\displaystyle M_{Q}=M\otimes _{R}Q} を考えることができる。Q は体であるから、Q 上の加群はベクトル空間である(無限次元かもしれない)。M から MQ へのアーベル群の標準的な準同型が存在し、この準同型の核は捩れ部分加群 t(M) である。より一般に、S を環 R の積閉部分集合とすると、R 加群 M の局所化 M S = M ⊗ R R S {\displaystyle M_{S}=M\otimes _{R}R_{S}} を考えることができる。これは、局所化 RS 上の加群である。M から MS への標準的な準同型が存在し、その核がちょうど M の S-捩れ部分加群となる。したがって、M の捩れ部分加群は、「局所化したときに消える」元全体の集合と解釈することができる。同じ解釈が、非可換な場合にも、Ore 条件を満たす環に対して、あるいはより一般に、右支配的集合 S と右 R-加群 M に対して、成り立つ。
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