指の謎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 12:10 UTC 版)
恐竜と鳥との関係は確実視されてはいたが、両者の間では前肢の指に齟齬があった。恐竜では鳥の系統に近づくにつれ、五本指のうち第5,4指が退縮する(つまり第1,2,3指が残る)傾向があるのに対し、現在の鳥の指は位置関係上、第2,3,4指であることが発生学的に観察されるからである。この問題についてギュンター・ワグナー(Günter Wagner)らは、非鳥類型恐竜から鳥への進化上の段階で、前肢の指の位置関係のシフトが起こったと説明した。また田村らはニワトリの胚を用い、発生の過程で指の原基となる細胞が、位置関係のシフトを起こすことを示した。 これに対して2009年には第1指、第5指の退化的な(つまり2,3,4指の発達した)リムサウルス(Limusaurus)が報告されるなど、いまだ指には謎がある。
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