意味論における非還元主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/07 23:03 UTC 版)
「コーネル実在論」の記事における「意味論における非還元主義」の解説
コーネル実在論は、道徳語(moral terms)および道徳概念と自然語および自然概念の間に還元可能な関係を認めない。すなわち、「しかじかのものは道徳的に望ましい」という道徳的な(規範についての)言明を「しかじかのものが快を生む」という自然的な(事実についての)言明に還元することは出来ないと主張する。これによりコーネル実在論者は、「自然的誤謬を犯さずに自然主義を主張することはできない」というムーアらによる批判に対して「形而上学的還元は意味論的還元を含意しない」と応答することが出来る。この主張は通常、クリプキ-パトナム流の意味論を伴っている。道徳語および道徳的概念はそれに対応する一定の自然的性質を選び出すが、こうした自然的性質は「我々の語や概念の用法との間に適切な因果関係を構成する性質である」という観点から選ばれるだけであり、道徳的概念が自然的概念に還元されるわけではない。
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