志の田うどんとは? わかりやすく解説

志の田うどん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 02:28 UTC 版)

志の田うどん

志の田うどん(しのだうどん)は、愛知県名古屋市周辺で食べられているうどん

概要 

志の田とは、白醤油をベースとしたつゆを張り、刻んだ油揚げと青ネギを散らしてかまぼこを添えた、うどんまたはきしめんである[1]

名称は大阪府和泉市信太森葛葉稲荷神社に伝わる葛の葉伝説に由来するもので[2]、「しのだ」は油揚げの別名であり、信太、信田、志乃田などと表記される[1]

刻んだ油揚げかまぼこネギを具材とする[2]きつねうどんと似ているが、油揚げには味付けがされていない[2][3]

これらの具材は味噌煮込みうどんと同じである[4]

名古屋における麺は塩分濃度が高く、独特の硬さがあることが特徴である[5]

一般的なきつねうどんきしめんとは異なり、さっぱりとした白醤油を使っている[6]。濃厚な味が多い名古屋めしの中では比較的あっさりしており、すまし汁にも喩えられる[4]

提供する料理店

山田屋の「たまごとじ志の田うどん」

古くから名古屋のうどん屋で定番のメニューとされるが[2]、新しい店ではメニューに無いところも多い[1]

名古屋市以外のうどん屋でも定番のメニューとされ、岐阜県のうどん屋でも提供している店は多いとされる[7]

名古屋市東区東外堀町の「山田屋」は、昭和5年(1930年)創業であり[2][1]、志の田うどんや[2]志の田きしめんを[1]提供している。創業当初の店舗は名古屋城が焼失した際の飛び火で焼け、現在の店舗は、昭和25年(1950年)の建築である[2]

名古屋市中区の「かめ壽本店」では、遠方から来た客が物珍しさで注文することも多いという[7]

評価

名古屋市出身の小説家である清水義範は、志の田うどんを「油揚げとネギを煮込んだスープにひたった、名古屋風なコシのないうどん」と表現している[6]。またその著書で、「全世界のうどんの中で一番好きなうどん」としている[8][9]

脚注

  1. ^ a b c d e 『原寸大なごやめし図鑑100』(ぴあMOOK中部)ぴあ株式会社中部支局、2016年
  2. ^ a b c d e f g 大竹敏之『名古屋メン』リベラル社、2012年
  3. ^ 京都市のきつねうどんにも、味付けせずに油揚げを刻んだものがある(参考:京都のうどんの謎 たぬきは化ける!? - そうだ京都、行こう)。
  4. ^ a b 店主も取材に驚く"最後の名古屋めし"…名古屋市民もほぼ知らない『志の田うどん』とは何なのか 東海テレビ、2019年8月8日
  5. ^ 「うどん・きしめん名店巡り スタンプラリー人気に太く長く盛り上がれ 愛知の27店参加 関東・関西に続き地元マニア企画」『中日新聞』2013年9月4日
  6. ^ a b 清水義範『日本の異界 名古屋』ベストセラーズ、2017年
  7. ^ a b 大竹敏之 ご当地と気づかれてない!? 隠れ名古屋メシ「志の田うどん」って何だ? マイナビニュース、2017年6月13日
  8. ^ 清水義範 1994, p. 79.
  9. ^ 清水義範 2003, pp. 80–81.

参考文献

  • 清水義範『やっとかめ!大名古屋語辞典』1994年。 
  • 清水義範『笑説大名古屋語辞典』2003年。 

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、志の田うどんに関するカテゴリがあります。

志の田うどん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:26 UTC 版)

「うどん」の記事における「志の田うどん」の解説

詳細は「志の田うどん」を参照 つゆに愛知県特産白醤油使ったうどん。

※この「志の田うどん」の解説は、「うどん」の解説の一部です。
「志の田うどん」を含む「うどん」の記事については、「うどん」の概要を参照ください。

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