後催眠現象について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 09:53 UTC 版)
後催眠現象(Post-hypnotic phenomena)とは、催眠中に与えた暗示が覚醒後に現れる現象をいう。催眠中に起こった現象が覚醒後、引き続き続いている現象も後催眠現象に含む。施術者は、与えられた暗示を覚えたままにしておくことも、忘れさせることもできる。(「この暗示は覚醒後忘れる」という暗示を別に与える) 神経衰弱に悩んでいる催眠感受性の高い男子中学生に対し、後催眠暗示を与えた例がある。暗示の内容は、中学生の前に立っている見知らぬ青年が、昔からの友人に見えるというものである。暗示の内容は忘れさせた。男子中学生は覚醒後「やあ青木君! 君はどうしてここへ……」と言った後、きまりが悪そうに「失敬しました。つい見間違えまして」と言った。 翌日その中学生は、本現象について次のように語っている。 『昨日はどうしてあんな間違ひをしたか不思議でならない。青木君が此家へ訪ねて来る筈のないことは、一寸(ちょっと)考へても分ることだのに』(引用注:顔でも似ていたのかと尋ねると)『顔でも似てゐたのならまだしもであるが、さつぱり似てゐないのに間違へたのだから、尚不思議で堪らない』 — 中村古峡、近代犯罪科学全集 4 変態心理と犯罪 第4篇』武侠社 p.214
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