弦楽四重奏曲第10番 (シューベルト)とは? わかりやすく解説

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弦楽四重奏曲第10番 (シューベルト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/03 02:06 UTC 版)

弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 作品125-1, D 87 は、フランツ・シューベルト1813年に作曲した弦楽四重奏曲

概要

本作がどのような経緯で作曲されたのかは不明であるが、シューベルト研究で著名な音楽学者オットー・エーリヒ・ドイッチュは、当時16歳だったシューベルトが自身の家族と一緒に演奏するために作曲し、実際に演奏されたものと考えている[1](そのため、海外では本作を「家族」や「家庭」を意味する "Haushaltung" という愛称で表記される場合もある[2])。

また「第10番」という通し番号は、ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された旧シューベルト全集英語版で付けられたものであるが、これはシューベルトの死後から間もない1830年に本作が出版された際に、『第11番 ホ長調』(D 353)と共に「作品125」として出版されたため、同時期の作品と誤解されたためである。しかし、実際に本作が作曲されたのは1813年11月であり、これは『第6番 ニ長調』(D 74)と『第8番 変ロ長調』(作品168, D 112)の間である。

さらに、本作のドイッチュ番号は『第7番 ニ長調』(D 94)よりも若い「D 87」という番号が与えられているが、こちらも近年の研究では第7番は本作よりも前の『第1番 ト短調/変ロ長調』(D 18)と『第2番 ハ長調』(D 32)の間の1811年(もしくは1812年)に作曲されたものと考えられているため、ズレが生じている。

曲の構成

全4楽章、演奏時間は約26分。全ての楽章が同じ調で書かれているホモトナル英語版の作品であり、初期の作品だけに、シューベルトの個性が強く出ているわけではないが、既に伸び伸びとした楽想をおいている。

  • 第4楽章 アレグロ
    変ホ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。

脚注

  1. ^ Deutsch, Otto Erich, with Donald R. Wakeling. The Schubert Thematic Catalogue. Mineola, New York: Dover Publications, 1995. (Corrected reprint of 1951 edition published by W.W. Norton.)
  2. ^ Earsense. String Quartet No. 10 in E-flat major, Op. 125, No. 1, D. 87, "Household" (Haushaltung). Retrieved January 24, 2019.

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