スイゼンジノリとは? わかりやすく解説

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スイゼンジノリ

(川茸 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 10:09 UTC 版)

スイゼンジノリ(水前寺苔、学名: Aphanothece sacrum)は、清澄な湧水に生育する藍藻(シアノバクテリア)の1種であり、九州の一部のみから報告されている。多数の細胞が寒天質基質に包まれ、緑色から褐色で不定形の群体を形成し、水中に浮遊している(図1)。明治5年(1872年)、オランダのスリンガー(Willem Frederik Reinier Suringar)が熊本市水前寺成趣園の池から採集されたものをもとに記載した[2][4]。種小名の「sacrum」は「聖なる」を意味し、水前寺に敬意を表して命名された[2]。福岡県朝倉市の黄金川および熊本県上益城郡で養殖されている。食用とされるほか、寒天質基質に含まれる多糖であるサクラン化粧品などに利用されている。


  1. ^ a b c Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2021年). “Aphanothece sacrum (Suringar) Okada 1953”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, Nat. Univ. Ireland, Galway. 2021年10月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 廣瀬弘幸 & 山岸高旺 (1977). “Aphanothece sacrum”. 日本淡水藻図鑑. 内田老鶴圃. pp. 19, 21. ISBN 978-4753640515 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 吉田忠生 (2012). “スイゼンジノリ”. In 渡邉信 (監). 藻類ハンドブック. エヌ・ティー・エス. pp. 648–650. ISBN 978-4864690027 
  4. ^ a b c d e f "スイゼンジノリ". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2021年10月9日閲覧
  5. ^ a b c d e f 椛田聖孝, 岡本智伸, 笹田直繁, 小野政輝, 井越敬司, 小林弘昌, 増岡智加子 & 伊東保之 (2005). “日本固有種ラン藻・スイゼンジノリ (Aphanothece sacrum (Sur.) Okada) の培養および構成単糖と機能性の検索”. 九州東海大学農学部紀要 24: 37-43. 
  6. ^ 岡島麻衣子 & 金子達雄 (2019). “スイゼンジノリの生産する細胞外多糖サクランの示す 「想定外」 の構造物性”. Cellulose Communications 26 (2): 66-69. NAID 40021937064. 
  7. ^ スイゼンジノリ”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2021年10月9日閲覧。
  8. ^ a b c 5.7 スイゼンジノリの生育環境について”. 小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会 報告書. 水資源機構 (2013年4月). 2021年10月9日閲覧。
  9. ^ スイゼンジノリ保全活動”. 江津湖研究会. 2021年10月9日閲覧。
  10. ^ a b “益城町にスイゼンジノリの養殖場を建設・・グリーンサイエンス・マテリアル”. くまもと経済. (2014年9月12日). http://www.kumamoto-keizai.co.jp/content/asp/dejikame/dejikame_detail.asp?PageID=20&Knum=16116&PageType=top 
  11. ^ 内平倫義, 内藤信二, 増岡智加子, 岡本智伸, 安田伸, 山下秀次, ... & 椛田聖孝 (2013). “黄金川における, 日本固有種ラン藻・スイゼンジノリの増殖と機能性”. 東海大農紀要 32: 7–11. 
  12. ^ スイゼンジノリ養殖場を訪ねて”. リバテープ製薬株式会社. 2021年10月10日閲覧。
  13. ^ “スイゼンジノリの新品種を商標登録 水前寺のり本舗丹生堂 黄緑色の新品種ル”. くまもと経済. (2011年11月1日). http://www.kumamoto-keizai.co.jp/content/asp/week/week.asp?PageID=3&Kkiji=14107&tpg=620&Knum=13&pp=top&CntFlg=false 
  14. ^ 水前寺のりとは”. 水前寺のりくまもとの会. 2021年10月8日閲覧。
  15. ^ a b 天然高分子の材料化”. 金子研究室. 北陸先端科学技術大学院大学. 2021年10月10日閲覧。
  16. ^ a b c 岡島麻衣子 (2015). “スイゼンジノリ由来新規多糖類 “サクラン” の材料化と今後の応用”. 化学と生物 53 (8): 553-558. doi:10.1271/kagakutoseibutsu.53.553. 
  17. ^ a b 金子達雄, 岡島麻衣子 & 立山誠治 (2014). “超巨大多糖類サクランの構造物性とバイオミメチックな機能創出”. 日本ゴム協会誌 87 (4): 146-152. doi:10.2324/gomu.87.146. 
  18. ^ 金子達雄, 岡島麻衣子, 小川哲也, 東嶺孝一 (2010). “新規超巨大多糖類サクランの構造物性”. NanotechJapan Bulletin 3 (2): 1–6. https://www.nanonet.go.jp/magazine/archive/?page=1173.html. 


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