岡崎城西高校チアリーディング部下半身不随事件
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岡崎城西高校チアリーディング部下半身不随事件(おかざきじょうせいこうこうチアリーディングぶかはんしんふずいじけん)は、日本の高等学校の部活動で起きた事件。
概要
事件の発生
2018年7月に、岡崎城西高等学校のチアリーディング部で、部員が下半身不随となる大怪我をしたという事件であった。当時の岡崎城西高校チアリーディング部では男性顧問がいたものの、この顧問はほとんど部活に姿を見せることが無く、外部の女性コーチが技術指導を行っていた。事故が発生した日には男性顧問も女性コーチも不在であった。事故に遭ったのは、入部してわずか4ヶ月という生徒であった。事故発生当時の練習状況は、必要な補助者も無く、マットを敷くのみで練習をしているという状況であった[1]。この日の練習は学校の体育館で行われており、事故が発生した練習内容というのは、人の肩の高さまで持ち上げられた体勢から前方に宙返りをするというものであった。これを行っていた時に首から落下するという事故を起こしてしまい、これで下半身不随となる大怪我をしてしまったということであった。当時の顧問というのは具体的な技術指導や安全指導はほとんど行っておらずに、学外から来たコーチに一任していた。顧問も行っていた指導というのは、学外コーチが立ち会える時間の中で行っていたのみで、顧問本人は部員全員に安全意識を浸透させられる立場に無いという認識を持っていた[2]。
事件から
2021年4月に同年に同校を卒業した大怪我を負った生徒は、学校側に安全対策が不十分であったとして、岡崎城西高校を運営する学校法人安城学園を相手取り損害賠償を求める訴訟を名古屋地方裁判所に起こす。これに対しては顧問教諭は具体的な技術指導や安全指導はコーチに一任しており、コーチは非常勤であり自身は責任者ではないという認識であったとのことであった。生徒側は責任者が不在であったということを訴える。生徒の両親は、学校側は責任の重大さを理解しているのかを疑問に思っていた[3]。この事故が起きてからは、学校側は校内のバリアフリー化と、部員の自宅の改修を行っていた[4]。2021年4月21日に、この事件の裁判の第1回口頭弁論が名古屋地方裁判所で行われた。そこでは学校側は、元部員や保護者にも危険の予知や回避が不十分で責任があるとして請求を棄却することを求めていた[5]。これには専門家からは、本来は子供の健康を保障するべき学校側の姿勢に疑問を呈されていた。両親は、学校側は私たちに向き合うということを涙を浮かべて訴えていた[6]。2022年9月12日に名古屋地方裁判所でこの事件の裁判の和解が成立して、学校法人安城学園が下半身不随となった生徒に和解金を支払うということが確定した。大怪我をした生徒はこの事故での脊髄損傷からの下半身不随で車椅子が必要な生活になっていた[7]。堀口雅則弁護士によると、このケースでは被告である学校法人は損害賠償の支払い義務を有するが、学校が加入している保険である程度は賄われる。このため被害者は金銭的な保証が受けられなくなるということはあまり無い。そうであったというのに裁判を起こした理由というのは、なぜこの事故を防ぐことができなかったのかを明らかにしたかったからであったからのこと[8]。
脚注
- ^ “「女子チア部員が下半身不随で顧問とコーチが責任逃れ」学校で事故が多発する根本原因”. プレジデント (2021年5月13日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “「部活中の事故で下半身不随に…」“大人側の事情”でリスクを背負う子供たち 教育社会学者の訴え”. ABEMA TIMES (2021年4月22日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “指導者不在で宙返り、下半身まひに 元チア部員が提訴”. 朝日新聞 (2021年4月19日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “「チア練習中けが」提訴 岡崎城西高、下半身不随”. 日本経済新聞 (2021年4月19日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “チア練習中に下半身不随 元部員が賠償請求、高校側は棄却求める”. 毎日新聞 (2021年4月21日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “学校側「15歳。危険予知は可能」 半身不随のチア元部員親が涙”. 毎日新聞 (2021年4月22日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “チア部練習で下半身不随 学校側1億2800万円支払いで和解”. 産経新聞 (2022年9月13日). 2025年4月15日閲覧。
- ^ “スポーツ事故訴訟で問われる「安全配慮義務」とは”. TORCH (2021年9月1日). 2025年4月15日閲覧。
関連項目
- 岡崎城西高校チアリーディング部下半身不随事件のページへのリンク