展覧会の絵 (ゲームブック)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 展覧会の絵 (ゲームブック)の意味・解説 

展覧会の絵 (ゲームブック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/22 19:44 UTC 版)

展覧会の絵(てんらんかいのえ)は森山安雄によるゲームブック作品。同名のムソルグスキー作曲のピアノ組曲展覧会の絵』をモチーフとしている。

概要

1987年東京創元社よりスーパーアドベンチャーゲームの1冊として出版された。表紙・挿絵イラストは米田仁士

主人公は楽師であり、彼の能力は和解・魔除け・戦いの3つの旋律を奏でる弦によって表現される。この独特の設定は、「剣と魔法」に慣れ親しんでいた当時のゲームブックファンに驚きをもって迎えられた[1]

本書は2002年に創土社より復刊された。ゲーム内容は旧版のままだが、原曲にまつわるコラムが挿入されている。また、イラスト担当は伊藤弥生に変わり、解説を矢野徹が書いている。

2012年10月にはフェイス・ワンダワークス[2]より、iPhone/iPadアプリとしてリリースされ[3]、2013年3月には英語版も公開された [4]。2014年1月からはAndroid用もリリースされた[5]ものの、2015年3月末で配信終了した[6]。これらのイラストはリリース情報ではみつきやよい名義ではあるが伊藤弥生のままで、アプリ内でのクレジットタイトルも伊藤弥生である。

2016年3月より「幻想迷宮書店」で配信が開始された[7]

あらすじ

あなたは竪琴を持った吟遊詩人である。自分の名前を含めて過去の記憶を失っている。

あるとき、「リモージュの市場」で商人に声をかけられた。絵の中の「侏儒」に会い、絵の中を旅するよう告げられる。

そして記憶を取り戻すための旅がはじまる。行く先々で「キエフの門」の印のついた絵と、魔女「バーバ・ヤーガ」の12の宝石を探しながら。

10枚の絵

原曲にのっとり、本書は10枚の絵をモチーフにした章で構成されている。また、「プロムナード」と呼ばれる間章の存在も原曲にならったものである。

  1. 侏儒 - 地の精
    主人公は洞窟の迷路をさまよう。その途中で出会った侏儒の使いの女から「真の楽師の琴」を、そして侏儒その人からは金・銀・銅の3色の弦のうちいずれかを授かる。
  2. 古城
    とある城の出口のない部屋に迷い込んだ主人公。そこへ風の精が現れ、この地を支配する砂の王を倒してほしいと依頼する。
  3. テュイルリーの庭
    噴水のある公園では子供たちが遊んでいる。近くのレンガ色の建物は美術館だ。しかし展示品の中にはキエフの門の印を持つ絵は見当たらない。
  4. ヴィドロ - 牛の群れ
    夕暮れの牧場で牛が草を食んでいる。しかし牧童たちはなぜかよそよそしく、まともに相手をしてくれない。どうやら何かを警戒しているようだ。
  5. 卵の殻をつけた雛の踊り
    主人公は1羽の鳥となる。身も心も鳥そのものであり、琴や絵のことは覚えていない。雛鳥としてすくすくと育った彼は、やがて巣立ちのときを迎える。
  6. サミュエル・ゴールデンベルグとシュミイレ
    森の南にある街には、サミュエルという金持ちが住んでいた。弟のシュミイレとは仲たがいして何年も会っていないという。
  7. リモージュの市場
    再び訪れた旅の出発点。しかしそこはすでに廃墟と化していた。
  8. 地下墓地(カタコウム)
    多くの骸骨が葬られた地下の迷路。そして、その設計者もまたここで眠りについていた。
  9. バーバ・ヤーガと鶏の足の上の小屋
    あたりは霧に包まれているが、行くべき道は見える。3つの関門を越えた先、「鶏の足の上の小屋」で魔女が待つ。
  10. キエフの大門
    旅の終わり。ついに主人公は自分のことを思い出す。そして、ある大切な人との別れのときが……。

書籍情報

脚注

  1. ^ スーパーアドベンチャーゲーム折り込みペーパー「アドベンチャラーズ・イン」9号
  2. ^ 2012年8月にゲームブック配信ポータルサイト「iGameBook」を開設するも、2015年3月末に終了した
  3. ^ フェイス、iOS「展覧会の絵」配信 復刊版を忠実に再現したゲームブックアプリ - Impress GAME Watch(2012年10月9日公開)
  4. ^ フェイス、ゲームブックアプリ専用ポータルサイト「iGameBook」の世界展開第一弾としてiOS「展覧会の絵」英語版を配信 - Gamer(2014年3月27日公開)
  5. ^ Android版「展覧会の絵」が配信。記念のiOS版アプリ半額セールを明日開始 - 4Gamer.net(2014年1月10日公開)
  6. ^ 「iGameBook」シリーズの全アプリが3月末で販売終了に - INSIDE(2015年2月28日公開)
  7. ^ 展覧会の絵 - 幻想迷宮書店(2016年3月11日公開)



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「展覧会の絵 (ゲームブック)」の関連用語

展覧会の絵 (ゲームブック)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



展覧会の絵 (ゲームブック)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの展覧会の絵 (ゲームブック) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS