寺領廃寺跡とは? わかりやすく解説

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寺領廃寺跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/23 14:40 UTC 版)

寺領廃寺跡(じりょうはいじあと)は、愛知県安城市寺領町久後に所在する奈良時代古代寺院跡。安城市指定史跡

概要

寺領廃寺は、7世紀後半に、西三河最古の寺院である岡崎市北野廃寺に続き創建された、古代寺院の一つと考えられる。出土の様式から北野廃寺よりやや遅れて建立されたと推定される[1]東大寺伽藍配置を持っていたと推定され、1965年昭和40年)に安城市指定史跡に登録された[2]

創建と変遷

奈良時代後半

本格的な伽藍整備が行われ、碧海郡の中心寺院として機能していたものと考えられる[3][1]

中世

廃寺となるが、その正確な時期は不明。現在は水田や、宅地、素盞嗚神社の境内となっており、一部遺構が残る[2][1]

伽藍配置と遺構

寺院の規模は東西約100m、南北約180mで、以下の主要遺構が確認されている[4]

主要遺構一覧
建造物 規模 現況
金堂 東西30m×南北19m 素盞嗚神社前広場
講堂 東西17m×南北12m 観音堂
東塔 基壇一辺10m 耕作地
西塔 未確定 心礎破片のみ

出土遺物

  • 軒丸瓦:13種類の素弁蓮華文瓦が出土。うち1種類は岡崎市北野廃寺と同系の素弁六弁蓮華文軒丸瓦[3][1]
  • 軒平瓦:重文のものが確認されている[1]

文化的意義

保存と調査

  • 1957年(昭和32年):初の本格的な発掘調査を実施[1]
  • 2022年(令和4年):北側に近接する岩根遺跡の調査で古代・中世の集落跡から柱穴を確認[5]

アクセス

脚注

  1. ^ a b c d e f g 寺領廃寺”. 安城市. 2023年11月5日閲覧。
  2. ^ a b 寺領廃寺跡”. 奈良文化財研究所. 2023年11月5日閲覧。
  3. ^ a b c “愛知県安城市寺領村寺領廃寺”. 日本歴史地名大系. 平凡社. (1981) 
  4. ^ a b 寺領廃寺跡”. 愛知県総合教育センター. 2023年11月5日閲覧。
  5. ^ 令和4年度調査報告”. 安城市. 2023年11月5日閲覧。

関連項目




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