宿屋飯盛とは? わかりやすく解説

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やどや‐の‐めしもり【宿屋飯盛】

読み方:やどやのめしもり

石川雅望(いしかわまさもち)の狂歌師名。


石川雅望

(宿屋飯盛 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/08 13:48 UTC 版)

石川雅望 『国文学名家肖像集』より

石川 雅望(いしかわ まさもち、宝暦3年12月14日1754年1月7日〉 - 文政13年閏3月24日1830年5月16日〉)は、江戸時代後期の狂歌師国学者戯作者。本名は糠屋 七兵衛(ぬかや しちべえ)、後に石川 五郎兵衛(いしかわ ごろべえ)に改めた[1]。字は子相、号は六樹園・五老山人・逆旅主人・蛾術斎など[1]。狂名は宿屋 飯盛(やどやの めしもり)。国学方面では石川雅望を名乗った。

生涯

浮世絵師石川豊信(旅籠屋糟屋七兵衛[2])の五男として、江戸に生まれた[1][3]。少年時代に和学津村綜庵、漢学を古屋昔陽に学ぶ[1]狂歌ははじめ岸文笑(頭光)に学び、大田南畝(四方赤良)のもとで学び、文笑らと「伯楽連」を結成する[1]。『俳優風』『徳和歌後万載集』『故混馬鹿集』に入集し、蔦屋重三郎と組んで刊行した『吾妻曲狂歌文庫』(1786年天明6年)刊、北尾政演画)や『古今狂歌袋』(1787年(天明7年)刊、北尾政演画)、『画本虫撰』(1787年(天明7年)、喜多川歌麿画)などの狂歌絵本の刊行によって、狂歌師の地位を不動のものにする[1]。天明末年には鹿都部真顔銭屋金埒・頭光とともに狂歌四天王と称されるが、1791年寛政3年)家業に関する冤罪によって、狂歌界から退く[1]

1812年文化9年)に狂歌界へ復帰する間に、古典文学研究や和文章の錬磨に打ち込み、大田南畝主宰「和文の会」に参加したり、狂歌グループ「五側」を結成したりした[1]。復帰後は真顔と狂歌界を二分した[1]

1830年文政13年)死去。享年78。

著作

狂歌活動のほかに、読本・狂文・和文・国学など多方面に著作を残した。

国学
など
狂歌撰集
  • 『万代狂歌集』
など
和文集
  • 『都の手ぶり』 - 江戸の様子を和文で記述した随筆[4]
読本
  • 『飛騨匠物語』
  • 『近江県物語』
など
翻刻
  • 『しみのすみか物語』珍書会、1915年
  • 『都の手ぶり』(『日本随筆大成』第1期第3巻)吉川弘文館、1927年
  • 『こがね草』(同第1期第11巻)吉川弘文館、1928年
  • 『ねざめのすさび』(同第3期第1巻)吉川弘文館、1929年
  • 塚本哲三校『石川雅望集』有朋堂文庫、1934年
  • 宿屋飯盛撰・粕谷宏紀校『万代狂歌集』古典文庫、1972年
  • 稲田篤信校訂『石川雅望集』(『叢書江戸文庫』)国書刊行会、1993年
  • 六樹園作・葛飾北斎画・須永朝彦訳『飛騨匠物語』(『現代語訳江戸の伝奇小説』)国書刊行会、2002年

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 岡本勝雲英末雄『新版近世文学研究事典』おうふう、2006年2月、276頁。 
  2. ^ 石川雅望「都の手ぶり」吉川弘文館(日本随筆大成 巻3)、1927年、1頁
  3. ^ 上田正昭ほか監修 著、三省堂編修所 編『コンサイス日本人名事典 第5版』三省堂、2009年、97頁。 
  4. ^ 石川雅望「都の手ぶり」吉川弘文館(日本随筆大成 巻3)、1927年、251 - 268頁

参考文献

  • 粕谷宏紀「石川雅望」(『日本古典文学大辞典簡約版』岩波書店、1986年、67 - 68頁)

関連文献

  • 粕谷宏紀『石川雅望研究』角川書店 1985
  • 稲田篤信『江戸小説の世界 秋成と雅望』ぺりかん社 1991

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