土地調査事業の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/10 08:31 UTC 版)
総督府にとっての土地調査の効果は以下の三点である。①地理地形を明らかにすることによる治安上の利点があった。②隠田をなくすという徴税上の利点があった。劉銘伝時代の測量をもとに全台湾で約36万甲と推計されていた耕地面積は、正確な地形図の作製の結果、実は約63万甲であることが判明した。これと同時に、税率も引き上げたので、総督府の税収が増え、台湾総督府の早期の財政独立化を果たすことができた。(後掲表参照)③土地所有権が確定され土地売買の障害も解消されたので、台湾総督府は大量の公有地に的を絞って開発を進めることができるようになった。台湾経済全体の観点からみると、日本資本が台湾投資や企業設立にあたって取引の安全を与えられたので、資本の誘因に役だったことになる。かくて土地調査事業は「台湾資本主義化」に必要な前提であり基礎工事であったといえる。ただしこの「土地調査事業」は田畑についてのみであり、林野については、「林野調査」事業を待たなければならなかった。
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