四重積_(ベクトル解析)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 四重積_(ベクトル解析)の意味・解説 

四重積 (ベクトル解析)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 02:30 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

四重積とは3次元ユークリッド空間における4つのベクトルであり、ベクトル解析におけるスカラー四重積ベクトル四重積の総称である。

スカラー四重積

スカラー四重積は2つのクロス積ドット積である。

ここで a, b, c, d は3次元ユークリッド空間のベクトルである。

幾何学的には a, b で張られた面積ベクトルと c, d で張られた面積ベクトルの重なり具合(射影)を表す。

以下の式 (ビネ・コーシーの恒等式)

が成り立つ。

証明

スカラー三重積の公式およびベクトル三重積の公式を使えば

と導ける。

あるいは線形代数学におけるビネ・コーシーの恒等式

を既知とすれば、n=3の特別な場合として、上記の式が得られる。

また、特別な場合である

も有用な公式でラグランジュの恒等式英語版と呼ばれる。

ベクトル四重積

ベクトル四重積は2つのクロス積のクロス積である。

ここで a, b, c, d は3次元ユークリッド空間のベクトルである。

幾何学的には a, b で張られた面と c, d で張られた面の交線に平行なベクトルを表す。

ベクトル三重積の公式を使えば

が得られる。ただし [a, b, c] = a・(b×c) である。

2つの異なる右辺が導かれるのは左辺を X×(c×d) とみて展開したか (a×bY とみて展開したかで異なるからである。幾何学的には、交線はそれぞれの平面に含まれるので、点を表すパラメータ表示が2通りあることを意味する。


2つの右辺が等しいことより恒等式

が得られる。

これは [a, b, c]≠0 の場合、基底 {a, b, c} (正規直交基底とは限らない)における r の成分表示が

であること示す。

あるいは、(a b c)を縦ベクトルを並べてできる3×3行列としたときの連立方程式

に対するクラメルの公式

と同じである。


なお、

が先の公式の特別な場合として導かれるが、この等式は以下のように導くこともできる。

ab で作られる平面と、 ac で作られる平面との交線は a に平行であることは自明である。また、abc一次従属 ([a, b, c ]=0) すなわち共面であるとき、2つの平面は平行なので左辺は0になる。このことから、右辺は [a, b, c ]a の定数倍であることが導かれる。右手系の正規直交基底を代入することで比例定数が1であることがわかるので、等式が得られる。

参考文献

関連項目

脚注





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「四重積_(ベクトル解析)」の関連用語

四重積_(ベクトル解析)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



四重積_(ベクトル解析)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの四重積 (ベクトル解析) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS