各名称について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:25 UTC 版)
玄妻という名称は、美しい黒髪(玄は黒色の意味)に由来している。鏡のように艶があり黰黒(しんこく、真っ黒)な美しい髪の毛であったという描写は『春秋左氏伝』や『路史』などにある。玄妻が后夔とのあいだに産んだ伯封は非常に貪欲な性格の悪人であり有窮氏の后羿によって滅ぼされたことから、「甚だ美しきものは必ず甚だ悪しきことでもある」という意味の故事の一例として挙げられている。 純狐という名称は「純狐氏の娘」という意味であるとされ、『路史』国名紀や『今本竹書紀年』では「純狐」は国或いは氏の名であるとされているが、その語源は明らかとなっていない。『名擬』には「純一作統」(統狐とも書かれる)とあるが「統狐」と書かれた例はみられない。 袁珂著『中国の神話伝説』には玄狐(げんこ)とも呼ばれたとあるが、「玄妻」を指して「玄狐」であると記載している例は史書などには見られない。 眩妻という名称は、顧頡剛の論文集『古史辨』に「眩妻即左傳中玄妻」(眩妻は左伝の玄妻である)とあるものの、これは『楚辞』天問の「浞娶純狐、眩妻爰謀』の「眩妻」を名前と捉えた場合の話で、もう1つの説は「(寒浞が)愛に目が眩んだ」と読むものである。
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