原核生物のモバイローム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 09:48 UTC 版)
「モバイローム」の記事における「原核生物のモバイローム」の解説
プラスミドは細菌の染色体外の遺伝物質として1940年代に発見された。プロファージは細菌の染色体に挿入されたバクテリオファージ(ウイルスの一種)のゲノムであり、プロファージはウイルス複製の溶菌サイクル(英語版)と溶原化サイクルを通じて他の細菌へ拡散する。 原核生物にもトランスポゾンは存在するが、原核生物のゲノムで最も一般的な可動遺伝因子はプラスミドとプロファージである。 プラスミドとプロファージは細菌の接合を通じてゲノム間を移動し、遺伝子の水平伝播を可能にする。プラスミドには細菌の抗生物質耐性を担う遺伝子が含まれていることが多く、これらのプラスミドが複製され、ゲノムからゲノムへと受け継がれることで、細菌集団全体が迅速に抗生物質に適応できるようになる。プロファージは細菌の染色体からループアウトしてバクテリオファージを形成し、他の細菌に感染する。これによってプロファージは細菌集団内を迅速に伝播し、宿主細菌に害を及ぼす。
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