加藤礼三
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2025/08/10 08:46 UTC 版)
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かとう れいぞう
加藤 礼三 |
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|---|---|
| 生誕 | 加藤 礼三 1955年11月23日（69歳）  日本 山口県 |
| 居住 | 日本 |
| 国籍 | 日本 |
| 研究分野 | 分子物性科学 |
| 研究機関 | 東邦大学 東京大学物性研究所 理化学研究所 |
| 出身校 | 東京大学 |
| 博士課程 指導教員 |
佐佐木行美 |
| 影響を 受けた人物 |
小林昭子 小林速男 |
| 主な受賞歴 | 日本IBM科学賞（1995年） アメリカ物理学会フェロー（2014年） |
| プロジェクト:人物伝 | |
加藤 礼三（かとう れいぞう、1955年11月23日 - ）は、日本の化学者。専門は分子物性科学。理学博士。
分子性材料、特に分子性導体および分子性磁性体の開発において、主導的な役割を果たしてきた。
来歴
1979年に東京大学理学部化学科を卒業し、1981年に同大学大学院理学系研究科修士課程を修了した。学部および修士課程では、ヘテロポリバナジン酸塩に関する研究を行った[3][4][5]。
1984年に東京大学大学院より理学博士号を取得した。有機電荷移動錯体の開発研究は博士課程在籍時より開始された[5]。博士論文は『A study of the molecular conductors based on the BEDT-TTF derivatives and/or the 1,2-dithiolene complexes』である[6]。
1984年から1988年まで東邦大学理学部の助手を、1988年から1990年まで同大学の講師を務めた[1]。東邦大時代に、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン（略はBEDT-TTFあるいはET）のセレン置換体であるビス(エチレンジチオ)テトラセレナフルバレン（略はBEDT-TSeFあるいはBETS）の合成法を確立した[7][8]。
1990年から1999年にかけて東京大学物性研究所の助教授を務めた。この期間の研究は出典[8][9]に詳しい。1999年に理化学研究所に移り、2021年まで同研究所の主任研究員を務めた[1]。
また、この間に多数の兼職も務めている。2001年から2003年に分子科学研究所客員教授、2002年から2021年に埼玉大学大学院理工学研究科客員教授、2003年から2021年に東邦大学理学部客員教授、2004年から2008年に文部科学省研究振興局科学官、2011年から2024年に千葉大学大学院融合科学研究科客員教授、2013年から2019年に早稲田大学理工学術院非常勤講師、2014年から学習院大学理学部非常勤講師を務めている[1]。
2020年より、理化学研究所の副理事（研究政策審議役）を務めている[1]。
受賞歴
- 1990年：第39回日本化学会進歩賞 - 分子性超伝導体および分子性金属の開発[10]
- 1995年：日本IBM科学賞
- 2011年：日本化学会第28回学術賞 - 金属-ジチオレン錯体を用いたパイ電子物性開発[10]
- 2013年：文部科学大臣表彰科学技術賞 - 金属錯体分子を用いたパイ電子物性の研究[11]
- 2014年：アメリカ物理学会フェロー
- 2017年：第8回分子科学会賞 - 金属錯体系分子性導体の開発[12]
著作
- 『さまざまな物質系2 分子の国の伝導電子 物理と化学の一接点』、岩波講座 物理の世界、岩波書店、2001年、ISBN 9784000111331。岩波オンデマンドブックス、2021年、 ISBN 9784007311536。
- 『分子性導体 物理学と化学との連携がもたらすπ電子物性科学』、物質・材料テキストシリーズ、内田老鶴圃、2025年、 ISBN 9784753623259。
脚注
出典
- ^ a b c d e 加藤礼三 履歴書. 日本学術振興会. 2025年8月5日閲覧。
- ^ 加藤礼三『分子性導体 物理学と化学との連携がもたらすπ電子物性科学』内田老鶴圃、2025年8月25日。 ISBN 9784753623259。
- ^ Kato, Reiso; Kobayashi, Akiko; Sasaki, Yukiyoshi (1980). “1:14 Heteropolyvanadate of phosphorus: preparation and structure”. Journal of the American Chemical Society 102 (21): 6571-6572. doi:10.1021/ja00541a039.
- ^ Kato, Reiso; Kobayashi, Akiko; Sasaki, Yukiyoshi (1982). “The heteropolyvanadate of phosphorus. Crystallographic and NMR studies”. Inorganic Chemistry 21 (1): 240-246. doi:10.1021/ic00131a045.
- ^ a b 加藤, 礼三 (1990). “物性研に着任して”. 物性研だより 30 (4): 7-10. ISSN 0385-9843.
- ^ Reizo Kato. “A study of the molecular conductors based on the BEDT-TTF derivatives and/or the 1,2-dithiolene complexes”. 国立国会図書館サーチ. 2025年8月5日閲覧。
- ^ Kato, Reizo; Kobayashi, Hayao; Kobayashi, Akiko (1991). “Synthesis and properties of bis(ethylenedithio)tetraselenafulvalene (BEDT-TSeF) compounds”. Synthetic Metals 42 (1-2): 2093-2096. doi:10.1016/0379-6779(91)92024-C.
- ^ a b 加藤, 礼三 (1995). “加藤研究室”. 物性研だより 35 (1): 23-30. ISSN 0385-9843.
- ^ 加藤, 礼三 (2000). “物性研と理研 -なぜ私は理研へ移ったのか-”. 物性研だより 40 (1): 13-21. ISSN 0385-9843.
- ^ a b “日本化学会各賞歴代受賞者一覧”. 日本化学会. 2025年8月5日閲覧。
- ^ “平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について”. 文部科学省 (2013年4月8日). 2025年8月5日閲覧。
- ^ “分子科学会賞受賞者および受賞業績”. 分子科学会. 2025年8月5日閲覧。
外部リンク
| 全般 | |
|---|---|
| 国立図書館 | |
| 学術データベース | |
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