前駆体の活性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 02:46 UTC 版)
「プロトロンビナーゼ」の記事における「前駆体の活性化」の解説
第X因子と第V因子はどちらも、血液凝固カスケードの活性化の前は不活性な前駆体として血中を循環している。不活性な酵素前駆体の第X因子は、軽鎖(136残基)と重鎖(306残基)の2本の鎖から構成されている。軽鎖はN末端のγ-カルボキシグルタミン酸ドメイン(Glaドメイン(英語版))と2つのEGF様ドメイン(EGF1、EGF2)を含む。重鎖はN末端の活性化ペプチドとセリンプロテアーゼドメインを含む。第X因子は外因性経路の第VIIa因子-組織因子複合体、内因性経路のテナーゼ(英語版)複合体によって活性化される。内因性テナーゼ複合体は第IXa因子と第VIIIa因子から構成される。第X因子が第Xa因子に活性化される際に活性化ペプチドが切り離されるが、重鎖と軽鎖は活性化後も共有結合によって連結されたままである。 第V因子は一本鎖のコファクター前駆体として循環し、A1-A2-B-A3-C1-C2の6つのドメインを含んでいる。トロンビンはBドメインを切除することで第V因子を活性化する。他のプロテアーゼも第V因子の活性化を行うが、この切断は主にトロンビンによって行われる。切断後は第Va因子はA1、A2ドメインからなる重鎖と、A3、C1、C2ドメインからなる軽鎖によって構成される。第Va因子の重鎖と軽鎖はカルシウムなどの二価イオンを介して連結されている。
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