制限行為能力者の詐術による取消権の否定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 14:41 UTC 版)
「行為能力」の記事における「制限行為能力者の詐術による取消権の否定」の解説
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない(21条)。 無能力者(当時)であると偽るだけでなく、無能力者と認めた上で法定代理人または保佐人の同意を得たことを信じさせるために詐術を用いた場合にも、本条の規定を適用する(妻の事例につき、大判大12.8.2)。 「詐術」とは、偽造文書を用いたり、他人に偽証させる等の不正手段を弄するとかのような、積極的な手段を用いることを必要とする(大判大5.12.6)。その後判例は「詐術」の範囲を広く解釈する傾向を示し、単に無能力者であることを黙秘したというだけでは詐術にはあたらないが「ふつうに人を欺くに足りる言動を用いて相手方の誤信を誘起し、または誤信を強めた場合」は詐術に含まれるとされる(準禁治産者の事例につき、最判昭44.2.13)。
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